こんにちは@Sanyontamaです。
「KING OF PRISM by PrettyRhythm」というアニメ映画がある。メディアミックス作品群「プリティーリズム」のスピンオフ映画なのだけど、これが凄まじい映画になっていた。
応援上映というのはコスプレ、声援、サイリウム使用が全て可能となった特殊上映だ。プリリズもキンプリも見たことがなかったが、Twitterで話題になっていたから勢い余って鑑賞してしまったが、これは中毒になる。サイリウムを用意していなかった事を後悔するほど。
作品内容も色々と狂っており、製作陣はヤバイクスリをキメたのかと思うほどの仕上がり。もはや「鑑賞」ではなかった。これは観客が劇中の世界へと入り込んでしまう。僕はあの時彼らの世界にいたのだと思わせるのには十分なほどの驚異狂気さだった。
- 応援は既に始まっている
- 本編への理解も追いつかない
- ダンスバトルでスーツが破壊され龍が登場し、腹筋で剣を防ぎ自爆し、ケツから蜂蜜が飛び出してキッスする
- 世界が輝いて見える!
- 映画の中へと飛び込んだんだ!
応援は既に始まっている
観客のほとんどがキングブーレドなるサイリウムを持っている。まず、この暗黙の団結感に打ちのめされてしまうわけだ。僻地の劇場のせいかコスプレをしている人はいなかったが、キャラのお面をしている人がいる。すごい世界に来てしまったと僅かな後悔が心に現れるが、とにかく上映開始を待った。
予告編が始まる。鑑賞した劇場では映画泥棒の後に予告編という流れだった。お馴染みの軽快な音楽とパントマイムを眺めていると、突如として場内が明るくなる。なんだなんだと困惑していたが、明るさの正体は赤色に統一されたサイリウムだったのだ!
まて、本編は始まってないぞ。おい、映画泥棒だぞ、おい。
予想外の出来事に理解が追いつかず、その光景をとにかく眺めているしかなかった。
その後、予告編が流れるが、作品の色合いに合わせてサイリウムの色を変えて振り回す光景に再び驚かされる。
名探偵コナンの予告が流れた時、
フウウウウゥーーーー!!
との声が劇場全体に響き渡った。するとあちこちから「いよ待ってました!」と言わんばかりにフウーの嵐。
なんだ、何が起きているんだ、まだ予告だぞ、なんだこれは。
意味が分からないまま予告編は終わり、遂に本編が始まる。
エイベックス、タカラトミーアーツ、シンソフィアのロゴが登場すると、観客たちは企業名を叫び始まる。おいおい、どうなってんだこれはと戸惑う始末だ。
タツノコプロのロゴが登場した時は、
タツノコプロありがとおおおお!!!
ありがとう! ありがとおおおおお!!!
そんな声が場内の至る所で飛び出してくる。理解が全く追いつかないので、開始早々一人爆笑していた。すっげえ、こんな世界があんのかよ、まじかよ、と笑うしかなかったのだ。
本編への理解も追いつかない
オープニング早々からライブが始まる。それに合わせて観客もサイリウムを振り、叫ぶ。映画ではなくアイドルのライブ会場にいる感覚に陥った。
このアニメは初っ端から狂っている。
主役らしき少年がライブを見て恍惚の表情になり、全裸になる。そしてハグする。
意味が分からないと思うが、本当にこんなシーンから始まる。意味不明なシーンが次々に繰り出されるため、どこから理解すべきなのかを見失い、もはや笑うしかないのだ。ファンも爆笑しているから、これはそういう作品なのだろうなという事だけは理解できた。
Over the Rainbowのプリズムショーを見た主人公「シン」がプリズム養成学校のエーデルローズに入学するお話。
プリリズとキンプリへの予備知識が全くないが、シンも似たような境遇なので彼を追うことで大筋は理解できるシステムになっているから、初心者に優しい作りになっている。だけど前述したように理解不能なシーンが多数登場する。
関西の劇場で鑑賞したせいもあるのか、観客はキャラの一挙手一投足にツッコミまくる。
自転車の二人乗りで前を観ずに運転しているキャラがいれば
前見て!前!
との声が飛び出してくる。
シンがエーデルローズに入学したシンは西園寺レオっていうすっごい可愛い男の娘に遭遇する。彼が出てくると
可愛いよ!
すっごくかわいいよ!
と黄色い声の中に野太い声も混じっていた。可愛いから仕方がないよね!
本当にかわいい。
レオ君がずっこけてシン君へのしかかる体制になると
ラッキースケベやめろ!
羨ましい!
との慟哭にも似た叫びが飛んでくるのだ。
こんな感じで一挙手一投足に突っ込みが入り、ネットの実況をリアルでみている気分にさせられた。こりゃ偉い世界に飛び込んだぜ。
シン君がお風呂場で前をタオルで一切隠さないシーンにおいては
前!前!
ちょっと自重しろ!
とお叱りの声が出てくるあたり、ここの観客はマナーに厳しい様だ。
ダンスバトルでスーツが破壊され龍が登場し、腹筋で剣を防ぎ自爆し、ケツから蜂蜜が飛び出してキッスする
Over the Rainboeメンバーのカヅキ先輩がストリート系のアレクサンダーに喧嘩を売られ、ダンスバトルが始まる。この辺りはお約束な流れなんだけど、ダンスバトルが意味不明だった。音楽が「EZ DO DANCE」という名曲なのに、映像は未だに理解できていない。
ダンスが始まると謎のスーツを装着し、ダメージを受けるとスーツが破壊されてゆく。
そして天から剣が降ってきて
バーニングソードブレイカアアアアア!!!!
とカズキ先輩がジャンルを間違えたような必殺技を叫び、アレクサンダーを攻撃する!!
なんとアレクサンダーは強化した腹筋で攻撃を受け止めるのだ!!!
一方その頃エーデルローズのレッスン上ではOver the Rainboeメンバーのコウジ君がケツから蜂蜜を出しハニーキッスしていた。
きゃああ~~♡
との悲鳴が発生する。またしても全裸になったシンが「キュンキュンします~~!!」と叫び、僕もキュンキュンしそうになる。ケツから蜂蜜ってどういうこったい。僕には意味が分からんです。
並行して謎のダンスバトルも挿入される。ダンスバトルというよりも少年漫画的な熱を帯びた戦いに自然と胸が高鳴ってくる。おかしいぞ、僕はアイドルアニメを見ているのに、これじゃあジャンプアニメじゃないか、と奇怪な感情が押し寄せてくる。
色々と狂っているが、この勢いのまま物語は続いていく。
アレクサンダーが龍に乗ってカズキ先輩を攻撃するのだが、カズキ先輩は自爆する。意味が分からないが、本当に自爆するのだ。意味わかんないけど。
ダンスバトルが終了するとカズキ先輩もアレクサンダーも全裸に近い姿となり
ごちそうさま!
エロイ!
なんて声も飛び出してくる。なんじゃこのアニメは・・・。
一方その頃シン君は多重影分身を行いコウジ君にハグしていた。
これは確実にキメてますわ。製作陣の頭はおかしい。
世界が輝いて見える!
コウジ君はハリウッド進出が決定しOver the Rainboeは活動停止となる。ラストライブでハリウッド行きの電車がやってきて、コウジ君を載せてゆく。メンバーのヒロ君が追いかけるも電車の速さに追いつけていないスローペースな駆け足に
もっと早く走って!
もっと声出さないと聞こえないよ!!
叱咤激励なのか何なのか、そんな突っ込みが容赦なく放たれる。感動が台無しになってしまう。やっぱり関西ですわ。
ラストはシン君の独壇場に。
悲しみに包まれたショー会場に笑顔を取り戻すべく踊り始めるシン君。その成長っぷりに僕も胸がキュンキュンしはじめる。
なんてこったい、世界が輝いて見えるぜ!!!
感動のラストシーンは本当にキラキラしている。エーデルローズの未来を支えるのは彼なんだと理解する。彼の輝きは眩しすぎる!!
シン君のおかげで悲しんでいた人は消え去ってしまう。世界に笑顔が取り戻されで大団円となったのだ!!!
映画の中へと飛び込んだんだ!
ガルパン4DXも中々の没入感で、これは映画を観るんじゃない。入り込むんだ!と感じていたがキンプリ応援上映は2D上映なのに4DXを優に超える没入感をもたらした。
スタァのイメージカラーに合わせてサイリウムの色を高速で変化させるプロの方々には驚嘆させられる。サイリウムを持って行かなかった自分を悔やんだ。これがあると没入感はさらに増していたはずだ。
僻地の劇場だったために観客の入りは半分ぐらいだったが、それでもファンの熱は高く皆さんノリノリで僕にとっても最高の体験となった。レーザーIMAXと4DXを遥かに超える没入感がここにはある!
そのおかげで世界が輝いて見える理由もわかった気がした。
応援上映終了後は心身ともにすっきりとして世界が変わったように感じられた。最初は戸惑ったが途中から感情は多幸感へと変化していく。こんな世界があったのか、と興奮が収まらない。
キンプリ初鑑賞でも応援上映をお勧めしたい。これまでの映画体験を凌駕する最高の体験をもたらしてくれるからだ。もはや映画を観るのではなく、映画の中へと入り込むというべきだ。こんな体験は4DXでも出来やしない!
リピートする人が多い理由も頷ける。これはハマる。皆もサイリウムだけは絶対に忘れないようにしよう。凄く楽しい。二度三度と行きたくなる。
最終的には西園寺レオ君が可愛すぎて彼が映り込むと「可愛い!可愛いよ!」と叫ぶおっさんが出来上がっていたのだ。