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きょうから米韓合同軍事演習 過去最大規模に
3月7日 4時07分

きょうから米韓合同軍事演習 過去最大規模に
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アメリカ軍と韓国軍は、7日から韓国で定例の合同軍事演習を行います。今回は、北朝鮮による核実験や事実上の長距離弾道ミサイルの発射を受けて、演習の規模が過去最大で、より実戦的な形になる見通しで、これに強く反発する北朝鮮のさらなる挑発が懸念されます。
アメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習は、毎年この時期に韓国で実施されるもので、ことしは7日から来月末まで行われます。
今回は、北朝鮮による4回目の核実験や事実上の長距離弾道ミサイルの発射を受けて、韓国軍からおよそ29万人、アメリカ軍からおよそ1万5000人がそれぞれ参加するほか、アメリカ西部ワシントン州を母港とする原子力空母「ジョン・ステニス」や、最新鋭のステルス戦闘機「F22」などが派遣され、過去最大規模となります。
また演習では、北朝鮮による攻撃を想定して指揮系統の連携などを確認するための図上訓練に加え、海兵隊の部隊が海から上陸し北朝鮮の内陸部に進撃する訓練を時間をかけて行うなど、例年よりも実戦的な形になる見通しです。
これについて北朝鮮は、韓国大統領府やアメリカ本土などへの先制攻撃も辞さないとする、軍最高司令部の「重大声明」を出したほか、キム・ジョンウン(金正恩)第1書記が核ミサイルの実戦配備に言及して米韓両国を威嚇するなど、強く反発しており、国連安全保障理事会での制裁決議の採択にも対抗してさらなる挑発に出ることが懸念されます。

韓国メディア「要人暗殺の『斬首作戦』も」

北朝鮮による攻撃を想定して毎年この時期に韓国で行われる、アメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習は、コンピューターを使ってさまざまな事態への対応と指揮系統の連携を確認する図上訓練「キー・リゾルブ」と、米韓両軍の海兵隊による上陸訓練「フォール・イーグル」からなります。
このうち北朝鮮が特に警戒している「フォール・イーグル」では、今回、海から上陸し北朝鮮の内陸部へ進撃する訓練を時間をかけて行うなど、例年より実戦的な形になる見通しです。
また、韓国メディアは、北朝鮮が韓国に攻撃を仕掛ける兆候が確認された場合、米韓両軍の特殊部隊が北朝鮮国内の核やミサイルの施設を破壊したり制圧したりするほか、「斬首作戦」と称してキム・ジョンウン第1書記ら要人を暗殺する訓練も行われると伝えています。
一方、アメリカ軍は今回の演習期間中、原子力空母「ジョン・ステニス」をアメリカ西部ワシントン州から派遣するとともに、最新鋭のステルス戦闘機の「F22」やステルス爆撃機のB2なども投入し、米韓合同軍事演習や、国連安全保障理事会で採択された制裁決議に反発している北朝鮮を強くけん制する構えです。

北朝鮮 演習に合わせ軍事的挑発

北朝鮮はこれまでも、アメリカ軍と韓国軍による定例の合同軍事演習に合わせて軍事的な挑発をたびたび行ってきました。
2013年3月、北朝鮮軍の最高司令部は、朝鮮戦争の休戦協定の白紙化や南北の不可侵合意の無効を一方的に宣言するとともに、「追加の対抗措置を連続して取る」と警告し、米韓両国に揺さぶりをかけました。
また、おととし3月には、2度にわたって短距離弾道ミサイル「スカッド」や中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられるミサイルを発射したほか、去年3月にも「スカッド」とみられる弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射しました。
北朝鮮は、ことしも米韓合同軍事演習を前にして、軍最高司令部の「重大声明」を発表し「敵の武力と装備がささいな動きでも見せた場合、先制的な作戦に入る」として、韓国大統領府やアメリカ本土への先制攻撃も辞さないと威嚇しており、米韓両国は北朝鮮による新たな軍事挑発への警戒を強めています。

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