【北京=原島大介】中国最大級の油田、大慶油田がある大慶市(黒竜江省)で、2015年の域内総生産(GDP)が3千億元(約5兆2500億円)と前年に比べ27%減ったことが6日、明らかになった。マイナスは約30年ぶりで、中国経済の低迷に伴う原油の需要減が要因。石油や石炭など素材産業が主力の地方都市の苦境が浮き彫りとなった。
北京で開いている全国人民代表大会(全人代)の黒竜江省の会議で6日、同市の韓立華市長が明らかにした。同市は中国の原油生産で約2割を占める。韓氏によると、中国経済の減速に加え、世界的な原油安のあおりも受けた。生産量はピーク時に比べて約3割少ないという。
黒竜江省は15年のGDP伸び率が5.7%と、中国全体(6.9%)を下回る。黒竜江省など東北の3省や山西省は石油や石炭、鉄鋼といった素材産業が主力で、こうした企業の大半は国有企業だ。
国家発展改革委員会の徐紹史主任は6日の記者会見で、黒竜江省の幹部と会談したことに触れたうえで「大量の資金を拠出して、離職者を支援する」と発言した。国有企業の過剰生産を是正した結果、職を失う人の雇用確保に力を入れる方針を示した。多くはサービス産業への転職を想定しているが、思うように進むかは不透明だ。