「中」か「外」か 新国立競技場の聖火台設置で迷走

03/05 00:26
東京オリンピックのシンボルに、新たな頭痛の種。新国立競技場の聖火台をどこに設置するのか。防火対策や費用負担の問題が複雑にからみながら、迷走が止まらない。
開会式では主役となり、大会中は熱戦を見守るオリンピックの聖火。
遠藤五輪担当相は「聖火台について、具体的に、どこにということについて、まだ議論してなかったことは事実。早急に、ワーキングチームをつくり、(競技場の)『中』か『外』か、決めていきたい」と述べた。
2020年には、その聖火が東京にともるはずだが、新国立競技場のどこに聖火台を設置するか、決まっていなかった。
しかも、設置場所は簡単には決まりそうにない。
競技場の中に設置する場合、旧国立競技場のようにスタンドの上に聖火台を置くのは、木材を使った屋根が、ほぼ全面を覆う構造のため、消防法上、問題となるおそれがある。
また、屋根の上に置くと、客席によっては、聖火台が見えない可能性があるが、IOC(国際オリンピック委員会)の規定では、聖火台は原則、全ての観客席から見える場所に設置すべきなどと定められている。
競技場の外に置いた場合、これは夏季オリンピックでは前例がないうえに、屋根が邪魔になり、全ての観客席から聖火台を見ることは困難になり、やはりIOCの規定に反する可能性がある。
デザインを手がけた隈 研吾氏は2016年1月、「今回は、聖火台の位置は、実はまだ特定していません」と述べていた。
FNNの取材に対し、隈氏のグループは、「今後、組織委員会が聖火台の設置場所などを決定すると思いますが、設置に関する検討要請があり次第、対応していきます」と回答している。
しかし、話は聖火台の設置場所だけにとどまらない。
誰が費用を負担するのかという問題も、はらんでいる。
聖火台を常設にした場合、費用は競技場の事業主体であるJSC(日本スポーツ振興センター)などが負担。
一方、オリンピック期間だけの仮設の場合は、組織委員会が負担することになっている。
JSCは、「聖火台はオリンピックに関わるところなので、当然、組織委員会の負担という認識」で、関係者によると、先週、JSC側から組織委員会側に、「競技場の外に、仮設での設置をお願いしたい」という打診があったという。
組織委員会の幹部からは、「費用と責任をこちらに押しつけたいのだろう。聖火台をどうするかは、国の責任で決めるべきだ」と、反発の声が上がっている。
常設か、仮設か、そして、どこに設置するのか、聖火台をめぐる議論の火消しは、難航するとみられる。

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