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【月刊正論】
高市総務相批判に異議あり! テレビに偏向放送の自由はない 八木秀次(麗澤大学教授)
※この記事は月刊正論4月号から転載しました。ご購入はこちらへ。
あまりに都合が良すぎはしないか。
高市早苗総務大臣が衆議院予算委員会で、放送局が政治的公平を欠く放送を繰り返したと政府・総務省が判断した場合、放送法4条違反を理由に電波停止を命じる可能性に言及したことに野党やメディアが批判を強めている。例によって「威圧だ」「放送が委縮する」とのお決まりの批判だ。高市大臣の発言は次の通りだ。
「放送法4条は単なる倫理規定ではなく、法規範性を持つ。行政が何度要請しても、全く改善しない放送局に何の対応もしないとは約束できない。将来にわたり、可能性が全くないとは言えない」(2月8日)
「放送局が全く公正な放送をせず、改善措置も行わないとき、法律に規定された罰則規定を一切適用しないとは担保できない」(2月9日)
放送を規律した放送法は番組の編集に当たって「一、公安及び善良な風俗を害しないこと。二、政治的に公平であること。三、報道は事実をまげないですること。四、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を求めている(第4条)。そして高市大臣が言う通り、これに繰り返し違反した場合、電波法76条は地上波テレビ局などに「三箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる」と規定している。