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排ガスを走行中に測定へ 国交省、ディーゼル車認証試験見直し
ディーゼル自動車の排ガス認証試験をめぐり、石井啓一国土交通相は4日、室内で車体を台上に固定して行う現行の検査方法を見直し、実際に路上で走行させる測定手法を導入する考えを示した。
同省は、昨年発覚したフォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を受け、ディーゼル車の走行調査を実施。その結果、VWのような不正ソフトの搭載は見つからなかったが、国内3メーカーの4車種が、走行条件によって排ガス基準を2~10倍程度上回る窒素酸化物(NOx)を排出していた。
NOx排出量の増加は、外気温が低い場合などに、エンジン保護のため排ガス低減装置が停止することなどが原因。このため同省は、路上走行検査を導入するとともに、排ガス低減装置の作動停止を認める範囲についても指針を定める。
同省が走行調査を行ったのはトヨタ自動車、日産自動車、マツダ、三菱自動車の乗用車計5車種と貨物車1車種。測定装置を搭載し、東京都と埼玉県の市街地や郊外、高速道を走らせた。その結果、マツダの2車種を除く4車種は、現行試験のNOx排出量の基準値を大幅に上回った。