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震災5年 「絆」は強まった? 弱まった?
3月6日 7時10分

震災5年 「絆」は強まった? 弱まった?
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東日本大震災から5年になるのを前に、NHKが岩手・宮城・福島の3県の被災者や原発事故の避難者を対象に行ったアンケートで、震災当時と比べて家族との絆は強まったと感じる人が多かったのに対して、地域の人との絆や被災地の外との絆は弱まっていると回答した人が多くなっていました。
「絆」は、東日本大震災が発生した5年前にその年の世相を漢字ひと文字で表す「今年の漢字」に選ばれるなど、大切な人とのつながりや被災地の復興支援を象徴することばとして使われていました。
NHKでは、岩手・宮城・福島の3県で被災した人や原発事故の避難者を対象に去年12月から先月にかけて行ったアンケートで、「絆」について今、どのように感じているか尋ねました。
アンケートには1209人が回答し、このうち家族との絆については、震災当時と比べて「強まっている」「やや強まっている」が合わせて38%、「変わらない」が48%、「弱まっている」「やや弱まっている」が合わせて14%でした。
一方、地域の人との絆は、「強まっている」「やや強まっている」が合わせて19%、「変わらない」が30%だったのに対して、「弱まっている」「やや弱まっている」が合わせて51%となっています。
被災地以外との絆も、「強まっている」「やや強まっている」が合わせて22%、「変わらない」が35%だったのに対して、「弱まっている」「やや弱まっている」が合わせて43%となっています。
また、アンケートでは、自由記述に「絆という言葉に嫌悪感を感じる」など否定的な意見を寄せた人が40人以上いました。
防災社会学が専門で兵庫県立大学の木村玲欧准教授は「5年がたつなかで、被災地の外からのさまざまな支援やつながりが薄れかけているのではないかと危惧しています。復興はまだ道半ばであり、これからも被災地以外の方々の支援や注目は被災地のほうに向けていかなければなりません。被災地内外の絆というものを、もう一度見直さなければならない時期に来ています」と指摘しています。

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