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■特派員リポート 翁長忠雄(中東アフリカ総局長)

 新年早々、イランが国際ニュースの注目を集めた。サウジアラビアがシーア派指導者の死刑を執行したことを機に、テヘランにあるサウジ大使館が群衆に襲撃された。サウジはイランと国交を断絶した。シーア派とスンニ派の大国同士の反目で国際社会に緊張が走った。同じ1月、イランの核開発問題に対する欧米の制裁が解除された。「悪の枢軸」とまで言われ国際社会で浮いていたイランに今度は商機を見いだそうと、各国や企業は熱い視線を注いでいる。

 2月11日のイランの革命記念日に合わせてこの国を初めて訪れた。カイロ発イスタンブール経由でテヘランに降り立ったのは2月10日の夜明け前だった。空港ターミナルの外へ出ると、胸に染みこんでいくような冷気。気温はマイナス3度。数日前は吹雪もあったと聞いた。カイロは春の陽気だったのに。中東は広い。

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