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 高齢者施設で傾聴のボランティアをしている大阪市のグループが、70~90代のお年寄り19人から聞き取った戦争体験談を冊子「戦後70年 魂のヒストリー」にまとめた。16歳で予科練に志願した男性や大阪大空襲で姉を失った女性らの話が収められている。13日、収録された中から4編を紙芝居にして披露する。

 まとめたのはNPO法人「Kunこころの宮」など、ボランティアグループ3団体。2010年から高齢者施設に傾聴ボランティアとして通ううち、高齢者が話す戦争体験の生々しさに心を打たれた。自分たちだけで聞いているのはもったいないと、市ボランティア活動振興基金の助成を受け、今月に冊子を出版した。

 「Kunこころの宮」代表の長原洋子さん(59)は、「最近のことは『覚えてない』と言う方も、焼夷(しょうい)弾が花火のようにきれいだったことや、巡洋艦で体罰を受けたことは、まるで昨日のことのように覚えている。様々な立場で経験した戦争を風化させてはいけないと考えた」と話す。

 戦争を知らない世代や子どもたちに特に関心を持ってほしいと、冊子では難しい漢字にルビを振り、約300点の挿絵をつけた。挿絵の多くを担当した蒲田あずささん(57)は「当時の資料写真は色がなく、想像しながら描いた」と話す。

 市内の図書館にはすでに送付し、今後は市内の小学校にも寄贈する予定。長原さんは「他府県からも問い合わせがきている。できるだけ多くの人に知ってもらいたい」と期待する。

 紙芝居は13日午後1時半からと3時からの計2回、大阪市鶴見区の区民センターで。無料。問い合わせはKunこころの宮(06・6777・6156)。