『神馬』から先斗町へ向かう。
さて、『神馬』の老舗の雰囲気をしばし楽しんだ後、どこに行くか検討する。
連れが先斗町に行きたいと言い出す。良さそうな店をピック・アップ。そして予約。
タクシーにしばらく乗っていると、やがて先斗町付近にやって来る。
鴨川と木屋町通の間にある花街、先斗町。町とあるが先斗町という地名はない。
三条通の一筋南から四条通まで通じる鴨川に沿った細長い通りである。
南北に500メートルほどの長さがある。
木屋町通の適当なところで取り敢えず車を降りる。脇の細い路地を行けば先斗町だ。
しばらく夜の先斗町を歩く。何とも言えない風情がある。お店も色々だ。
右に細い路地がある。見上げると『通り抜けできまへん』。
『できません』ではなく『できまへん』。良いじゃん。
白い提灯に『ばんから』という文字が見える。そこが次に目指す店だ。
店に入る。
店の前までやってくる。
看板の文字の感じがなかなか良い。『地酒 一品 酒亭ばんから』。
先斗町、どちらかと言えばお高いイメージがあるがここはそうではないようだ。
表に出ているメニューを見ればわかる。やはり居酒屋、そうでなくては。
とはいえ縄暖簾ではない。可愛い徳利の絵が描かれたものだ。
こういう感じ、結構好きだ。
1階はカウンター。そこかと思いきや、階段を上がり2階に通される。
こじんまりとした部屋になっているが雰囲気は中々素敵だ。
食べます、呑みます。
さて、お通しが出てくる。品は三品。ホタルイカと菜の花、湯葉、氷魚だったか。
どれも丁寧につくられている印象。美味しい。
2軒目なので最初からここは日本酒。京都の地酒『玉川』を選択。
『玉川 山廃純米 無濾過生原酒 12号 27BY』。口当たり滑らかだけどボリュームあり。
京都の京丹後市木下酒造のもの。 杜氏イギリス人のフィリップ・ハーパーという人。
連れは奈良の『生酛のどぶ』。こちらの杜氏は元建築家だったかな。
何を食べよう?お通しだけでも結構満足しているけれど。
『自家製味噌漬けクリームチーズ』。これが意外に日本酒に合う。
そして『くじらのさえずり』。要はくじらの舌。とろける旨さ。
初めて長崎で食べた時の感動を思い出す。そうそう大阪でも食べたな。記憶が蘇る。
お酒は『旭若松 純米火入れ』。2012年醸造のもの。
徳島の山間部で家族だけでつくっているという個性的なお酒。
メニューにおでんがある。おでんも食べたいねとなる。
だったらさっき話していた店にでも行く?という話になる。
おでんの舟の上でお酒を徳利に入れながら少しこぼすという赤垣屋の話をしていた。
ここでもう少しとも思ったが、ここはひとつ河岸を変えよう。
呑み終えて
とても良い店だった。お酒も呑んだことがないものが色々。
東北の酒を呑むことが多い。家に取り寄せるのも以前からそうだったし。
料理もとても美味しい。
メニューにはまだまだ頼みたいものが結構沢山あった。
ただ、若い頃のようにあれもこれも頼むと言うわけでもなく、
これはと思ったものをゆっくり楽しんで食べる。それを肴にちびちびと呑むのが良い。
1階のカウンター席もなかなか素敵な雰囲気。
今度1人の時にまた来てみたい。そう思わせる魅力あるお店。
さて、そんなわけでおでんを食べに赤垣屋へと向かう。
さほど離れていないはずだ。歩いて行き着くだろう。
京都の夜を良い気分ではしご酒。悪くない。
と言うか、こういう瞬間の積み重ねが幸せと言うことだ。
(2016年2月第1週訪問)
今回行った店の情報
酒亭ばんから (居酒屋 / 祇園四条駅、河原町駅、三条駅)
夜総合点★★★★☆ 4.5