妊娠するとまず気になるのが食事ではありませんか?
今まで普通に食べていたものが、妊娠すると食べられなくなったり量を制限しなくてはなりません。
その代表的なものとしてカフェインは広く知られていますが、その他にも注意すべきものがあります。
あまりに神経質になりすぎるのもよくありませんが、避けるべきものを知っておくと安心ですね。
・コーヒに含まれるカフェイン
カフェインは絶対に摂取してはいけないという食材ではありませんが、過剰摂取すると鉄分やカルシウムの吸収を阻害してしまいます。
授乳中は母乳にもカフェインの成分が流れ出てしまい、赤ちゃんがイライライしたり興奮させる作用があるため、過剰に泣いたりぐったりする原因になるので気をつけましょう。
1日1杯から2杯程度なら問題ないとされているのでママの気分転換に飲むのも良いですし、この機会にカフェインが入った飲み物に挑戦するのも良いですね。
代表的なものとしてはコーヒー、紅茶、緑茶、栄養ドリンク、コーラ、抹茶などです。
・魚卵製品はリステリア食中毒の恐れ
リステリア食中毒とは、土壌や河川、家畜などの動物、魚介類、昆虫などから見つかっているリステリア菌による感染症です。
カマンベールチーズやナチュラルチーズなどの柔らかいチーズやブルーチーズ、未殺菌の牛乳など加熱処理がされていない乳製品に注意しましょう。
生ハムやスモークサーモンなどの燻製魚介類、ネギトロ、魚卵製品にも気をつけましょう。
日本ではリステリア菌による食中毒の報告事例はありませんが、妊娠中は極端に免疫力が下っていますし強い感染力を持つリステリア菌に感染すると、子宮内の胎児にも感染し死産や早産の原因になります。
髄膜炎や敗血症になる恐れもある恐ろしい感染症ですので、妊娠中は避けた方が良いですね。
・生肉によるトキソプラズマ
レアステーキや生ハム、ユッケ、レバ刺しなど加熱が不十分な肉は危険です。
トキソプラズマは家畜の肉や感染したばかりの猫の糞、土の中にいるありきたりな単細胞の寄生虫で健康な人が感染しても全く問題はありませんが、妊婦が始めて感染すると胎児に感染する可能性があります。
流産や死産の原因になったり、脳や目に障がいが起きる水頭症を引き起こすかもしれません。
妊娠前に感染の経験があると抗体ができているので基本的には問題ありませんし、早期発見できれば胎児に感染する前に治療ができます。
家庭で肉や魚を十分に加熱するのはもちろんですが、肉を切った後のまな板や包丁を十分に洗ってから使ったり、完成した料理に生肉を近づけないなどの注意も必要です。
・マグロなどに含まれる水銀
水銀が含まれてると聞くとちょっと怖い気がしますが、大人が日常的に食べるのには問題ありません。
髪や爪などから排出し、2ヶ月後には取り込んだ量の半分になるからです。
しかし妊婦が食べると、胎児は体外へ水銀を排出する機能がなく胎児を包む羊水に水銀が溜まってしまいます。
神経障がいや発達障がいをもたらす危険性があるので気をつけましょう。
本マグロやインドマグロ、メバチマグロ、クロカジキ、メカジキ、マカジキなどのマグロ類の料理や加工食品、金目鯛やムツなどの深海魚は避けたほうが良いですね。
日本人は約80%の水銀を魚から得ていますので、妊娠初期は魚を主食とするのは1回から2回に抑えた方が良さそうです。
・生卵などのサルモネラ菌
サルモネラ菌は直接胎児へ影響することはないのですが、食中毒に感染すると下痢を引き起こします。
激しい下痢は脱水になったり、子宮収縮を促し流産や切迫早産になる可能性があります。
日本の卵は安全とされていますが、できるだけ新鮮な卵を使い加熱して食べるようにしましょう。
その他、生スプラウトや加熱が不十分な肉類、低温殺菌が行われていない牛乳には注意しましょう。
・昆布に含まれるヨウ素
ひじき、昆布、わかめ、のりなどの海藻類、インスタントの昆布だしや味噌汁、合わせ調味料にはヨウ素(ヨード)が含まれています。
ヨウ素を過剰に摂取するとクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)になり、赤ちゃんの哺乳力が低下したり手足の冷えや便秘を引き起こします。
成長に従って知能低下や発達障がいが起こる可能性があります。
ただし、ヨウ素を全く摂取しないとヨード欠乏症になり流産や胎児の脳機能障がいを引き起こす可能性があります。
昆布にはヨウ素が多く含まれており心配ですが、適度な摂取を心掛けましょう。
・レバーに含まれるビタミンA
ビタミンAには2種類あり、動物性由来のレチノールと植物由来のベーターカロテンがあります。
ビタミンAは胎児の成長に大きく関わる栄養素で、妊婦が摂取不足になると胎児が成長障がいや奇形を起こすと言われています。
しかしレチノールを過剰摂取すると、口蓋裂や口唇裂、水頭症の危険がありますので注意が必要です。
レバーの他、うなぎ、あゆ、ホタルイカなどの食材は気をつけたいですね。
ベーターカロテンは心配いりませんので、人参やかぼちゃなどの緑黄色野菜は積極的に摂り入れましょう。
・その他気をつける食材
パセリ
イタリア人は妊娠するとパセリを食べないほど気を使う食材です。
日本ではてんぷらにしないかぎり過剰に摂取することはなく、パスタなどにふりかける程度であれば心配いりません。
ひじき
ヒ素が含まれるひじきは、フランスで妊婦が食べることを禁止しています。
日本では調理法が違うため、積極的に摂り入れたい食材としても取り上げられるので、どちらを信じて良いか不安だと思います。
安心して摂取するためにはまず缶詰は使わず、乾燥ひじきを使いましょう。
1時間以上水で戻し、新しい水で5分茹でるとわかめよりヒ素の含有量が低くなりますので安心して食べられます。
香辛料やスパイス
香辛料やスパイスは体を温め血行をよくし、食欲が増すことから良い食材とされています。
しかし過剰に摂取すると流産や早産を引き起こす可能性がある香辛料やハーブがあるため、調味料として常識的な範囲で摂取しましょう。
シナモンはお菓子に含まれていることが多く注意が必要ですし、便秘に効果があるアロエは子宮収縮の作用があるので過剰摂取は止めましょう。
・ママの栄養が胎児の成長へつながる
あれもダメ、これもダメと気を使いすぎてしまうと、赤ちゃんに十分な栄養がいかず成長に影響が出てしまいます。
どの食材もしっかり火を通したり、過剰摂取しないように気をつけるだけ違いますね。
後になって後悔しないよう、正しい食生活を心掛けましょうね。
夜食にお刺身 / [puamelia]
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