頭部に埋め込んだ電極で脳活動を読み取り、考えるだけで運転できる車いすをサルに操作させて目的地に到着させることに成功したと、米デューク大などのチームが4日までに英科学誌に発表した。この技術が発展すれば、体がまひした患者の状態を改善する治療に役立つ可能性があるという。
チームは2匹のアカゲザルで実験。運動や感覚をつかさどる脳の部位に細い電極を埋め、神経細胞の活動を読み取った。無線で外部の装置に伝えて解読し、サルがどこに向かおうと考えているのかを判断。それに従い車いすを動かした。
目的地にブドウを置き練習を繰り返したところ、出発点を変更しても到着できるようになった。さらに練習を重ねると、到着までにかかる時間は短縮され、より短い距離で着けるようになった。
チームは、効率的に車いすを動かせるように脳が学習し、神経細胞の活動が変化したとみている。
脳活動で機械を動かす技術は「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」と呼ばれ、研究が進んでいる。〔共同〕