ともに計量を1発パスしたWBC世界バンタム級王者・山中(右)と挑戦者ソリス=京都市内で(藤本敏和撮影)
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WBCダブル世界戦の前日計量が3日、京都市内のホテルであり、4選手はそろって1発でパスした。高校時代を過ごした地で10度目の防衛をかけるバンタム級王者の山中慎介(33)は、リミットまで約100グラムとキッチリ調整。ライトフライ級王者の木村悠(32)も順調に仕上げた。
◆王者の余裕
「計量を終えるとテンションが上がる。栄養も補給できるし」
山中が余裕の笑みを浮かべた。下着をつけた状態でリミットを100グラム下回る53・4キロ。理想的な仕上がりだ。
対戦相手のソリス(ベネズエラ)は、2013年に亀田大毅とのスーパーフライ級統一戦で減量に失敗、計量会場でギブアップしてコーラをらっぱ飲みする前代未聞の失態をやらかした。今回は53・3キロで1発パスしたとあって、山中も「ソリスがはかりに乗って安心した」と笑った。
ただ、ソリスはその後足早に計量会場を立ち去って、エレベーターホールで本拠地パナマから持ち込んだオレンジドリンクをたちまち1本飲み干した。「減量は問題なかった。あとは自分が勝つのを待つだけ」と言葉では強がったが、笑顔はまったくなし。計量に緊張していた様子をうかがわせた。
一方で山中は、みかんジュースをペットボトル半分ほど残し「(10度目の防衛で)節目の試合をKOで飾りたい」と、あらためて宣言し、ゆっくりと会場を後に。試合前日の精神状態では王者が大きくリードしていた。 (藤本敏和)
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