アイルランド下院選挙 連立与党 過半数に届かず

2月29日 5時42分

アイルランドで議会下院の選挙が行われ、財政危機後の経済の立て直しに取り組んできた、ケニー首相率いる統一アイルランド党は、連立を組む労働党と合わせても過半数の議席に達せず、次の政権の枠組みを巡る交渉が今後の焦点となります。

アイルランドでは、５年前の選挙で勝利し、財政危機後の経済の立て直しに取り組んできたケニー首相が、去年７％近い経済成長を実現した今の連立政権の信任を問おうと、今月初め議会下院を解散し、２６日に投票が行われました。
アイルランドの公共放送ＲＴＥによりますと、これまでの開票の結果、１５８議席のうち８割以上の議席が確定し、ケニー首相率いる与党第１党の統一アイルランド党は４０議席以上を得ており、第１党を維持するものの、議席数を大幅に減らす見通しです。連立を組む労働党と合わせても過半数を確保できないのが確実で、ケニー首相は２７日、「今の連立政権が続くという選択肢がないことははっきりしている」と述べました。
一方、前回の選挙で敗北した最大野党の共和党は、議席を増やすものの、第１党にはならない見通しで、反緊縮策や格差是正などを訴えた左派や少数政党が議席を増やしています。
今後は次の政権の枠組みを巡る交渉が焦点となります。