マンガワンで読んで面白かったので、買いました。
・概要
犯罪に遭遇してしまう「超被害者体質」の主人公、市村民人。
その彼が、様々な犯罪気質を持った生徒だけが集められる危険過ぎる教室に入ってしまう。
とにかく、アウトな方向に本気を出してしまったギャグマンガ
マンガとして、正当に面白いだけにとどまらず、ギャグとして下ネタみたいな設定を入れたり、キワキワなオマージュを入れることでかなりアウトな作品に仕上がっている。
というのも、「主人公以外の登場人物はほぼ犯罪者」というマンガだ。
ハッカーとか、爆弾魔とか、殺し屋みたいな「いかにも危険です」「これを使って悪いことをしてます」というアイテムを持たせられるキャラなら、性格に関係なく危険そうな感じが演出できる。
しかし、問題はストーカーだったり、「後ろ」を狙うやつだった場合だ。
どちらも、女性で主人公を偏愛しているわけだが…もう性格も行動も危険だし、発言にもサラッと下ネタが入ってくる。
「ギャグだし、ネタだとわかってるけど…ここまでやられると、『逆に尊敬』してしまう」
というぐらいに、変態的な行動やアイテム、発言を平気でなさるキャラが何人かいる。
それは表現上はアウトだと思うし、冷静に考えれば気持ちの悪い人達だ…。
ストーキングして取った写真を丼に盛り付けて「市村くん丼」とか言い出すストーカーや、「開通工事をしたい」と言って、いかにもアレな棒を持って主人公の男に馬乗りする女の子キャラが出てくるには出てくる。
でも、それに対する描き方がとてもギャグ的で、嫌悪感なく楽しめる。
まず、一貫して主人公のややヘタレな人が被害者であること、次に生々しく描くことよりもハイテンションに主人公に襲いかかることで、主人公がギャグのようなリアクション、逃げまわりを見せるのがこのマンガの楽しみであり、目的だから「スマートでもないが、いやらしく不快でもない下ネタ」として処理できるのがいい!
絵がうまいギャグマンガでかつ、面白い。
また、ギャグ表現では、イラストとしての上手さが光る。
これは、元になっているキャラクターのデザインを有り体になモノにしたことで、様々なギャグ絵柄、ネタのようなシーンに対応できるため、様々なオマージュが作中では盛り込まれている。
例えば、驚く時には楳図かずお調になったり、
例えば、刃牙などで有名な5点着地をトレースするような一場面があったり
(グラップラー刃牙より)
例えば、阿部さんが出てきたり
(くそみそテクニックより)
意外なところだと、るろ剣の回転剣舞とかも出てきてるね…。
他にも、見たことはあるけど元ネタがよくわかんないやつもいっぱい出てきて、元ネタ集だけで1ネタになりそうなほどのオマージュの塊です。*1
オタクから見ると、やってることは「オタクじゃないとできないこと」が多くて、「よくぞやってくれた」というマンガです。
しかしながら、オタク的な下ネタとか元ネタ不詳な凝ったマンガ表現の数々をしつこくなく、それでいて忠実にテンポよく再現しているのが、このマンガの好きなところ。
それでいて、テンポの良くしすぎて説明をすっ飛ばした部分を四コママンガや単行本限定のイラストで補完してくれているのもうれしいです。
マンガワンや裏サンデーのページで無料で読めるので、良かったら読んでみてくださいね。もちろん、作者が潤うので、単行本を買ってくれたほうが、ぼくは嬉しいですが。
*1:元ネタ集の記事を作ってくれた人は俺に送ってくれたら1ブクマは確実にあげるし、ツイート・FBで拡散する関係で僕以外も20人ぐらいには読ませると約束するので、誰か書いてください。僕はすげーみたい!