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» 2016年03月04日 14時05分 UPDATE

「日本死ね!」発信者の匿名女性が取材に答えた (2/3)

[産経新聞]
産経新聞

「0歳」か「1歳」か

 過熱する保活を乗り切るには、子供を保育所に入れるために辛い選択を迫られる親も多いのが現状だ。確実に入園を狙う場合、産後1年間認められている育児休業を途中で切り上げ、比較的定員の枠が大きい「0歳児」から入れるケースが「鉄則」とされるからだ。1歳児クラスの場合、0歳児から進級する子供がいるため、仮に定員が「12」とあっても、実際に募集がかかるのはほんの数名だけということが少なくない。

 東京都杉並区の女性会社員(29)は、「本当はもっと子供と過ごしたかった。でも、保育所に入れずに仕事を失ってしまうことは考えられなかった」と、長女(1)が6カ月だった昨年4月に長女を預け、復職した。「希望する園の1歳児クラスの倍率はどこも10倍以上。認可外保育所も空く保障がなく、泣く泣くの選択だった」と振り返る。

 また、妊娠前から気をもんでいるケースも少なくない。東京都板橋区の女性会社員(43)は「お腹の大きい時期にいくつも保育所を回った。区役所にも通い詰め、担当者と親しくなって『どうしたら選考で必要な点数を稼げるか』を必死で探した」と振り返る。

 ただ、時期によってはこうした選択が難しいケースもある。2月中旬に長男を出産したばかりの埼玉県川口市の女性会社員(36)は、早くも保活に不安を募らせている。保育所へ入園できずに仕事を辞めた友人がいたため、自身は比較的入りやすいとされる「0歳児」で入園させることを考えていた。しかし、2月産まれの長男は、希望する保育所の受け入れ可能な月齢に達しておらず、入園申請すらあきらめざるを得なかった。「高齢だと何回も妊娠のチャンスがあるわけではない。0歳児クラスの入園時期に合わせた出産を狙ってばかりはいられない事情もあるので、入園のチャンスを広げて欲しい」と話す。

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