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【日米安保研究会報告書】
中国の動向にらみ不断の見直し必要 自衛隊と米軍の緊密な連携訴え
その一つが、武装集団による離島への不法上陸・占拠など、「有事」ではないが治安維持を担う警察や海上保安庁の能力では対処できない「グレーゾーン事態」だ。ただ、治安出動や海上警備行動では自衛隊の武器使用に大きな制約がある。自衛隊に必要な武器使用権限を与えることが不可欠だが、法制化は見送られている。
抑止力が働かない「力の空白」は、力による現状変更の試みを誘発しやすくなる。グレーゾーン事態は報告書も触れてはいるが、これを防ぐには防衛法制を不断に見直すしかなく、日米同盟をより強固な形に仕上げなくてはならない。