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外務省、慰安婦報告書の一部を意図的に削除か…裏で韓国からの圧力か

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 一方で、この件に関しては岸田文雄外相は2月26日の外相会見で「記録については女子差別撤廃委員会でのやりとりなので、同委員会が判断すべき」と述べるなど、とりつくしまがない。
 

強まる慰安婦問題の呪縛


 そもそも慰安婦問題については、日本政府が確固たる立場を示さなかったため、戦後70年以上も経た今なお、日本人が貶められた状態に甘んじなくてはならない状況に陥っている。杉田氏は述べる。

「日本は委縮しているのに対し、韓国は非常に巧妙です。合意の後もなお海外で慰安婦の像や碑の建設計画が持ち上がっていますが、『政府の行為ではない』ということで日韓合意の対象外としているのです」
 
 要するに、韓国側はやり放題というわけだ。これら以外にも、杉田氏らが歯がゆく思うことがある。肝心の女子差別撤廃委員会の委員長が、慰安婦問題に関する杉田氏らの主張に耳を傾ける様子がなかったことだ。しかも現在の委員長を務めるのは、日本人女性である林陽子氏だというのに。

「私たちは事前に委員に日本の主張を書いたパンフレットを配布していました。ほとんどの委員は受け取ってくれましたが、林さんだけは受け取ろうともしてくれなかった。同じ日本人女性として、とても残念な気持ちになりました」(杉田氏)

 昨年末の日韓合意については、「ようやく解決に至った」と評価する声が多かった。だが実態はこのようなものだ。そもそもなんのための合意だったのか。日本人が慰安婦問題の呪縛からますます逃れられないのなら、このような合意は百害あって一利なしだ。
(文=安積明子/ジャーナリスト)