青森銀行系の青森地域社会研究所(青森市)は、北海道新幹線開業の効果などを青森県と北海道函館市で聞いたアンケート調査結果をまとめた。青森県と道南の連携・交流が深まると考える人は青森でほぼ7割、函館で8割に上った。一方、北海道・青森に行く機会が増えるという人は少数で、期待がやや先行しているようだ。
アンケートは昨年11~12月に実施。青森県在住者938人と、函館市の事業所に勤務する254人が回答した。
両地域の連携・交流が「深まる」は「大いに」「多少は」の合計で青森69%、函館80%だった。一方、北海道(青森)に行く機会が「増える」は「かなり」「やや」合わせて、青森37%、函館28%にとどまった。開業に向けて「地元は盛り上がっている」との回答も「非常に」「多少は」合計で、青森は34%と低く、函館は半数をわずかに上回る51%だった。
北海道新幹線を利用して行きたい先(駅)を函館側に聞いた質問では、東京が38%で最も多く、仙台36%、新青森12%、盛岡7%が続いた。
年代別にみると、20代は東京59%対仙台25%と東京が仙台を圧倒しているが、30代と40代では差が2ポイント程度に縮まり、50代は東京29%に対して仙台41%と仙台の人気が高い。また青函連絡船の時代に修学旅行で青森を訪れた経験があるためか、新青森は20代3%に対して50代16%と、年代が上がるほど青森人気が高くなる傾向が出た。
自由回答では「絶対、故障などでトラブルを起こさないことが一番」など、JR北海道に安全を求める意見が目立った。
同研究所は「両地域とも連携・交流の深まりに高い関心を持っている。調査では弱かった地元の盛り上がりも、開業日が近づいた今では強まっている」と話している。