五輪のシンボルとされる聖火をどこでともすのか――。2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は3日、メーンスタジアムとなる新国立競技場で聖火台を置く場所を検討する作業チームを設けることを明らかにした。新競技場の基本設計は5月中に固まる予定で、設置場所は4月中にも決めるとしている。
新競技場は鉄骨と木材のハイブリッド構造の屋根で「和」の雰囲気を醸し出すが、上部に聖火台を設置した場合、消防法上の問題が生じる懸念がある。作業チームを取りまとめる遠藤利明五輪相は「設計を変える、変えないということが出るので、早急に決める必要がある」と説明した。
組織委によると、国際オリンピック委員会(IOC)は聖火台の位置について(1)観客全員が見える(2)競技期間中は外からも見えるよう可能な限り目立つ場所に設置する――などを求めている。
過去の夏季五輪では、メーンスタジアム内に設置され、1964年東京五輪の場合、旧国立競技場のスタンド上部にあった。12年ロンドン大会では開会式はフィールド中央、大会期間中はフィールドの隅に置かれた。
作業チームは消防法上の問題やIOCの要請に加え、開会式などのセレモニーの内容も踏まえて検討する。
東京大の菅原進一名誉教授(建築防災学)は「炎が直接当たらなくても、木材は煙で着火する可能性もある。設置場所は慎重に検討する必要がある」と話している。