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斎藤佑樹、大谷翔平に群がる報道陣の横を走り去る…5年でわずか14勝、迫る「決断の時」

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里崎智也氏
 3月25日の開幕に向けて、プロ野球はオープン戦の真っ最中だ。各チームの主力をはじめ、オコエ瑠偉選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)など、期待の新人の名前がメディアを賑わせることも多く、新たなシーズンへの期待が否応なく高まっている。


 そんな中、今もたびたび現状が伝えられ、大きな反響を呼ぶ選手がいる。“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹投手(北海道日本ハムファイターズ)だ。キャンプ序盤の紅白戦やオープン戦に登板した際には、打ち込まれたにもかかわらず、関連記事が「Yahoo!ニュース」のトップに躍り出るなど、相変わらずの人気ぶりには舌を巻く。

 斎藤は、早稲田実業学校高等部3年の2006年夏、甲子園球場で行われた全国高等学校野球選手権大会決勝で、田中将大投手(現ニューヨーク・ヤンキース)擁する駒大苫小牧高校と対戦。大熱戦の末に延長15回引き分けとなり、翌日の再試合に勝って全国制覇を果たした。

 その時、マウンド上でハンカチを出して汗を拭く姿が人気を呼び、「ハンカチ王子」という呼び名とともに、早稲田大学、日本ハムとステージが変わっても注目され続けてきた。

 しかし、10年のドラフト1位でプロ入りした後の成績を振り返ると、1年目の11年は6勝6敗、翌12年は5勝8敗。以降は右肩の故障もあって1軍での登板機会はめっきり減り、成功しているとは言いがたい。

 そのため、世間の目は必ずしも温かいものばかりとは限らないが、今も多くの人が斎藤の投げる姿に注目する現実には、ただ驚くしかない。

大谷翔平に群がる報道陣、その脇を歩き去る斎藤佑樹


 実際、斎藤を取り巻く報道現場の空気感は、プロ入り当初とはだいぶ変化した。今や、日本ハムの報道の主役は、完全に大谷翔平選手にシフトしている。

 身長193センチの大谷が動けば、その後ろには多数のカメラマンが列をなすように続き、囲み取材では人が何重にも織りなして大きな輪ができる。時には、その脇を斎藤がたった1人ですり抜け、足早に移動する姿も見られるようになった。

 とはいえ、現在も斎藤には登板後などのタイミングで会見の場が用意され、多くの報道陣が集まる。ただ、取材での受け答えは入団当初から一貫して「当たり障りのない内容」に終始しており、大胆なリップサービスなどは少ない。甲子園で全国的な注目を浴びて以降、マスコミに対しては警戒心をゆるめず、一定の距離感で接している印象だ。