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 パリから地中海方面に向かう特急TGVなどの起点「リヨン駅」で1日、JR東日本の子会社が駅弁店を開いた。和食が人気のフランスでは、日本語の「ベントー」が広まりつつある。列車の旅を楽しくする駅弁の文化を欧州に届ける。

 煮物や焼き魚、炊き込みご飯が九つのマス目に並ぶ「幕の内」15ユーロ(約1800円)や、「おにぎり弁当」8ユーロなど5種類。ご飯とおかずをいっしょに口に入れない食文化にあわせてやや薄味にしたり、デザートとしてカステラを盛ったりの工夫をこらした。

 スイス・ローザンヌに戻る途中という女性(70)は「車内の売店はいまひとつだから、弁当は楽しみ」と幕の内を買っていた。パリの会社員ブノワ・フュエーズさん(34)は、ネットで開店を知った。「会社に持ち帰ってみんなで食べる。大好きなどら焼きが入っているのもうれしい」と話した。

 営業は午前8時から午後7時半で、4月末まで。出店した「日本レストランエンタプライズ」(東京)の浅井克巳社長は「見た目にも包装にもこだわる日本の伝統を紹介する」という。リヨン駅で成功すれば、本格出店や他の駅での展開も検討する。(パリ=青田秀樹)