円への逃避が反転、米景気見通し好転で高利回り通貨にマネー流入
2016/03/04 00:15 JST
(ブルームバーグ):米経済データの改善と新興市場の安定を背景に、為替トレーダーらは質への逃避のポジションを手じまい、高利回り通貨に資金を投じている。
金融市場が荒れた時に買われることの多い円だが、3日の市場では31通貨のうち28通貨に対して下落。世界的に株価が年初来の下げを一部埋め、商品価格の下落も一息ついたことが背景にある。
なお円は主要16通貨に対する年初来の取引では全面高で推移し、どの通貨に対しても値上がり率が2.3%以上。中国経済の成長減速懸念が世界的に金融市場を混乱させてきたためだ。
サンタンデール銀行のG10通貨戦略担当の責任者、スチュアート・ ベネット氏(ロンドン在勤)はこのところのドルの対円相場について、「株価に連れ高した」と指摘。「ここまでのドル・円の動きは行き過ぎだった。1カ月でこれほど動くと反転するか、少なくとも動きが継続しない可能性が高い」と述べた。
ベネット氏は今のトレンドが続いた場合、円は3月に1ドル=118円に下げる可能性があると予想する。
ニューヨーク時間3日午前8時19分現在、円は対ドルで0.4%安い1ドル=113円92銭。2日には114円56銭まで下げ、2月16日以来の安値を付けた。対ユーロではこの日0.7%下げて1ユーロ=124円18銭。ユーロは対ドルで0.3%高い1ユーロ=1.0901ドル。
原題:Brighter U.S. Outlook Spurs Inflows to Asia, Haven Bets Falter(抜粋)
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更新日時: 2016/03/04 00:15 JST