春野ユリ - 仕事術,時間管理,生産性向上,趣味 09:00 AM
新しいスキルを2倍速く習得する方法
人は、単に楽しいからという理由で趣味をもっているのかもしれませんが、趣味をもったほうが良い理由はほかにもあります。
趣味が、仕事のパフォーマンスを向上させることは科学的に証明されていますが、それだけではありません。ゲームをすることからギターを弾くことに至るまで、趣味は頭を良くする働きもあるのです。
それでは、限られた練習時間を最大限に活用し、趣味にもっとしっかり打ち込むにはどうしたらいいのでしょうか。
最新の科学によれば、その秘訣は練習時間を長くするのではなく、賢いやり方ですると良いのだそうです。
単純反復でなくバリエーションをつける
ジョンズ・ホプキンス大学医学部の研究では、86人の被験者に、デバイスのカーソルを操作するという、新しい運動技能を習得してもらう実験をしました。被験者は3つのグループに分けられ、最初のグループには実験を行った2日の間、操作練習を繰り返し行ってもらいました。2番目のグループには、少し違う2種類の練習をしてもらい、最後のグループは対照群として、1回の練習で完璧を目指してもらいました。
この実験の趣旨は何だったのでしょうか。それは、新しいスキルを練習するのに最適な方法を見つけることでした。結果として、バリエーションをつけたほうが、同じことを反復するより結果が良かったことがわかりました。
「まったく同じことを何度も練習し続けるより、習得したい作業にほんの少し変化をつけて練習するほうが、習得する量も速度も勝っていることがわかりました」と、この研究を行ったPablo Celnik氏はコメントしています。では、どのぐらい速くなるのでしょうか? 実は、いろいろなことを混ぜ合わせて練習のルーティンに変化をつけると、繰り返し練習した場合より、習得速度は2倍近く速くなったのです。
しかし、練習に極端な変化をつけないことも大切だとCelnick氏は指摘しています。
作業にあまり変化をつけてしまうと、人間が違いを理解するときに得られる効果が得られなくなります。ささやかな変化をつけるにとどめておくべきです。
野球の練習を例に取ると、バッティングから守備に変わるよりも、違うバットを使ってみるとかピッチングの種類を変えてみるというようにしましょう。
運動技能以外のことにも当てはまる?
Celnik氏と彼の共同執筆者たちは、今回運動技能にしか注目しませんでしたが、(何よりもまず、脳卒中患者の早期回復を助けるために、この研究を応用したかったからです)、実際には、あらゆるスキルの習得に応用できるようです。
「Interleaving(交互配置)」は、関連性のあるスキルを何種類か取り混ぜて練習することで、学習速度を大幅に速めるという練習方法で、研究によりその効果が実証されています。たとえば、このテクニックを使った数学科の学生たちが、その効果を体験しました。「実験後すぐに行ったテストでは、Interleaving方式を使った学生たちは、使わなかった学生たちに比べて25%高い成績を出しました。そして、1カ月後にはその差は76%になりました」と心理学サイトの「PsyBlog」は報告しています。
ここでご紹介した発見をまとめてみると、どんな趣味やスキルであれ、素早く習得したいときは同じ教材やドリルを何度も繰り返すよりも、いろいろなことを取り混ぜて練習したほうが良いようです。
How to Learn New Skills Twice as Fast, According to Science|Inc.
JESSICA STILLMAN(訳:春野ユリ)
Photo by PIXTA.
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