昨夜は全然寝付けなかった、こんなことは実に久しぶりで、2か月ぶりくらいの不眠であった。
薬で夜が怖くなかったのに
眠れなくなったのは今年の1月8日からで、この日は忘れることのない「断酒」を始めた日でもある。この日の夜から眠れぬ日々が始まり、最終的には病院で薬をもらうまでに至る。服用を始めてからは最高の日々であった、薬というのもはかくも入眠を楽にしてくれるのかと価値観が大幅に変わった気がする。薬の種類によって効き方が違うのだが、現在飲んでいるタイプは効果が及ぶ時間が短いが、副作用もほとんどない、という初心者向けのものであった。「睡眠剤」というよりは「睡眠導入剤」と呼ぶらしい。それでも飲んだことのない俺にとっては十分に効く代物であった。
かつて俺の入眠を助けていたのは酒であったが、深酒が過ぎると記憶の範疇外でとんでもないことをやらかしたり、破滅的なことをするので生涯飲まないことを誓ったのだ。入眠を助けるとは名ばかりで、熟睡を妨げるのが酒なんだけどね。酒の話はここまでにしよう。
また眠れないじゃん
2~3日前から予兆はあったのだが、どうも眠りに入るのが難しくなっている。同じ薬を同じタイミングで飲んでいるにも関わらず、まどろめる時間がどんどん先延ばしになっており、気持ち的には良いものではなかった。入眠時は「眠れないということにストレスを感じてはいけない」という定説があるようだが、これはなかなかに難しい。目をつむってあの暗黒空間を何もせずにただ1時間を過ごす苦痛たるや、この世の地獄ではないかと思えるほどにやはり苦痛に感じてしまう。人が睡眠剤を求めて病院を頼る気持ちは俺には良く輪から、本当に辛いんだよな、眠れないというのは...
ついに昨夜は入眠に2時間を要した。「ああ、また地獄の時間がやってくるのか」正直、がっかりした。勝手に服用量を増やすわけにもいかない、かといって眠くなるまで起きていれば、夜中の3時になってしまう。これの何が良くないかと言えばもうすぐ仕事が始まってしまうということだ。夜中の3時に寝るサイクルで仕事復帰に突入すれば、きっと身体に無理がかかるだそう、ただでさえ半年以上を開けての復職であるのに、この出足は正直きつい。本来ならこれくらいの時期になると薬を飲まずに自然のサイクルで入眠することが目標だったし、思い描いていた未来ではあったのだが、なかなかうまいこといかぬものだね、人生というやつは。
医師に相談するしかない
現在の薬で眠れなくなってしまった以上は服用を継続する意味もないだろうし、医師に相談してみよう。薬の種類云々よりも薬なしで入眠していくにはどうしたら良いかの支持を仰いでみようと思う、生涯入眠を薬に頼ろうなどと考えてはいないわけで、本来の健康的な姿とは日中にお日様を浴びて夜は自然と眠くなる姿なのだろうからね。
ああ、それにしてもまた復活しやがった眠れぬ夜の暗闇さんを考えると忌々しくてしょうがない。「また今夜もあいつと戦わねばならんのかい」なんて今から気持ち的には沈んでしまう。さいしょっからこのようなメンタリティで挑むから闇に食われちまうのかもしれない。眠くなるまで起きている生活を、今はつづけたほうが良いのだろうか。それとも無理やりに目を閉じて夜を静かに過ごしたほうが良いのだろうか、わからん。兎にも角にも眠れぬ夜というのは忌々しいものであるよ。
薬に頼る気持ちは大いに理解できるよ、眠れないって本当に辛いよな。人を眠らせる魔法を使う人間がいたら、毎日23時過ぎにその魔法をかけてもらいたいなと妄想することもある。あの嫌みなほどに静かで真っ暗闇な場所に2時間も3時間もいなければならない苦痛を軽減してくれるのであれば、魔法的な力だって喜んで享受するだろう。