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ロシアに続いてブラジルも 6年ぶりのマイナス成長
3月4日 8時42分

ブラジルの2015年の経済はロシアと同じく6年ぶりのマイナス成長となり、資源安が新興2か国の景気に打撃を与えている実態が鮮明になっています。
ブラジル政府が3日に発表した去年1年間のGDP=国内総生産の伸び率は、前の年と比べてマイナス3.8%で、リーマンショックの影響を受けた2009年以来、6年ぶりのマイナス成長となりました。
背景にはブラジルの主要な輸出品の鉄鉱石などの資源価格が低迷していることがあり、工業全体がマイナス6.2%と落ち込みました。それに伴い、雇用情勢の悪化などで個人消費がマイナス4%と12年ぶりのマイナスとなったほか、先行きの不透明感が増して、企業の設備投資がマイナス14.1%と大幅に悪化しました。
一方、ブラジルとともにBRICSと呼ばれる新興5か国に名を連ねるロシアも、2015年のGDPの伸び率がマイナス3.7%と、6年ぶりのマイナス成長になっています。背景にはロシアの主な輸出品の原油の価格下落があり、資源安がロシアとブラジルの新興2か国の景気に打撃を与えている実態が鮮明になっています。

ジェトロ「世界経済への影響は限定的」

ブラジルの2015年の経済が6年ぶりのマイナス成長となったことについて、JETRO=日本貿易振興機構のサンパウロ事務所の大久保敦所長は、「中国経済の減速で主力輸出品の鉄鉱石や穀物などの一次産品の価格が下落して対外収支が悪化した。いわゆる『中国特需』の時に、一次産品以外の工業製品の輸出促進に取り組んでこなかった付けが大きい」と分析しています。
一方、ブラジルの景気悪化が世界経済に与える影響については、「近隣のアルゼンチンやウルグアイなどブラジルへの輸出を行っている中南米の国々には多少の影響はあるが、ブラジルへの依存度は高くないため影響は限定的とみている」と話しています。そして今後の見通しについては、「景気サイクルが一巡し、インフレが落ち着いて政策面で混乱がなければ、2017年の後半以降に景気回復基調に入ると思う」と話しています。
また日本企業への影響については、「内需向けの自動車や造船、不動産や建設などの落ち込みは著しい一方、医療や食品、農業ビジネスなどは比較的好調で、中でも輸出部門はレアル安で好調な企業が多い。多くの日本企業はブラジル市場は中長期的にみれば潜在力が高いとみているので、高付加価値商品の生産など新規分野への投資やコスト削減などをして、『景気後退の出口』に向けた対策を取る企業が多い」としています。

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