ドイツ国民が抱える不安
内務省の発表によると、去年、ドイツで難民申請をした110万人のうち、13万人が行方不明になっているらしい。少なくとも10人に1人はいなくなってしまったということだ。
審査中の難民には宿舎が指定されているが、自由な行動は許されているので、その気になれば消えてしまうこともできる。
もとより難民申請をしても、全員が難民と認められるわけではない。北アフリカ諸国やバルカン半島など「安全な第三国」と定められている国から来た人たちは、どうせ審査で落ちる。だったら、結果が出る前に雲隠れしてしまおうという魂胆だろう。
行方不明の難民の大半は、おそらくお金を稼ぐために潜伏していると思われる。不法滞在、ヤミ労働になるので労働条件は悪いが、それでもドイツでの賃金は彼らにとって魅力だ。そもそも母国では職がない。
ただ、都合の悪いことに、安全な第三国と言われる国々では、犯罪率がとても高い。だから、いなくなった13万人がどこで何をしているかと考えると、ドイツ国民としてはかなり不安だ。
主要メディアは相変わらず難民や外国人の犯罪をあまり報道しないが、ネットを見ると、毎日かなりたくさんの事件が報告されている。大勢で女性を取り囲んでいたずらしたり、あるいは、ナイフで切りつけたり。
2月26日のケルンでは、嫌がらせを受けている女の子を助けようとした15歳の男子生徒が殴られ、大怪我をした。
おかしなことだが、現在の難民に関する法律では、難民申請をしている人が罪を犯しても、それは審査に影響を与えない。審査が中止されるには、少なくとも3年以上の懲役が科されなければならないという。