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 横浜市西区のマンションで基礎部の鉄筋が切断されている疑いがある問題で、マンションの管理組合が3日、記者会見を開いた。販売元の住友不動産が全棟建て替えを提案することに、「ここまで非常に長かった」と語った。住民自ら施工不良の疑いを見つけ、交渉を重ねてきた。

 管理組合によると、住友側は1日、基礎部の強度を保つ鉄筋が23カ所誤って切断された疑いがあることを管理組合に伝えた。コンクリートに配管を通す穴を開ける際、別の23カ所で穴の周囲を補強する鉄筋が組まれていなかった疑いも示したという。

 このマンションでは一昨年、杭が固い地盤に届いておらず、住居棟5棟のうち1棟が傾いていたことが発覚。住民側には全棟建て替えを求める声があったが、住友側は当初、建て替えは傾いた棟だけで、他の棟は補修などを提案していた。

 傾きの発覚を受け、「他にも施工不良がないか」と疑った住民らは昨年11月、地下の基礎部分を調査。青色の油性ペンで書かれた丸を見つけた。建築士の資格を持つ50代の住民男性は「設計には無い場所に穴を開けようとしたのではないか。ここに丸が書かれているということは、他に設計外に穴を開けた場所があるのでは」と疑問を持った。