柴田秀並
2016年3月4日05時09分
クルーズ船で来日する中国人ツアー客が急増する中、無資格のガイドが摘発された。免税店でツアー客の買い物をあおり、売り上げの見返りに報酬を得ていたとみられ、観光庁には苦情も寄せられていた。
「クルーズ船のガイドはギャンブルだ」
ツアーのガイドをした経験がある20代の男性は話す。免税店の売り上げに応じて報酬が支払われるため、ツアー客に商品を買わせることに専念し、観光案内はほとんどしない。高額商品を買わせれば買わせるほど、店側からの報酬も増える。1日20万円以上を稼ぐこともあったが、数千円の日もあったという。
昨年11月の早朝。博多港(福岡市)の駐車場には多くの大型バスが並び、ガイドとみられる男女が集まっていた。資格を持っているか尋ねると、「ボランティアです」と口をそろえた。
中国語の通訳案内士や国の特区制度を利用した九州限定の「特区ガイド」が不足する中、「法に触れない無報酬のボランティアを名乗りながら、『紹介料』名目で免税店側から報酬を得る行為は一般化している」と大手旅行会社員は指摘する。
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朝日新聞社会部
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