バフェット氏の右腕クール氏、人員削減で傘下部門の業績改善図る
2016/03/03 15:33 JST
(ブルームバーグ):トレーシー・ブリット・クール氏は資産家ウォーレン・バフェット氏(85)率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイの幾つかの小規模部門を統括することで、バフェット氏の信頼を勝ち取ってきた。
バークシャーの年次報告書から垣間見えるのは、クール氏が人員整理に動いているということだ。同氏が会長あるいは最高経営責任者(CEO)として指揮する4部門全てが2015年に人員を削減している。削減の割合が最も大きかったのは調理器具・キッチン用品販売のパンパード・シェフで、14年終盤から同氏がCEOを務めている。
クール氏(31)は09年にバークシャーに入社し、拡大する事業の管理でバフェット氏を手助けし始めた。12年には額縁メーカーのラーソン・ジュールと塗料メーカーのベンジャミンムーア、建材メーカーのジョンズ・マンビル、パーティー用品販売のオリエンタル・トレーディングのバークシャー傘下4部門の会長に指名された。職務を引き継いでから程なくして同氏は2部門のCEOを交代させ、業績改善の取り組みを開始した。
年次報告書によると、昨年のバークシャー建材部門の税引き前利益は30%増加。ベンジャミンムーアなどの業績が寄与した。パンパード・シェフは販売が落ち込む中、数年にわたり人員削減を続けている。バークシャーは同部門の15年の業績を開示していない。15年末時点の同部門の従業員数は433人と、1年前と比べ17%減少した。
報告書は解雇ではなく自然減による人員削減がどの程度だったかを明らかにしていない。バークシャーの広報担当者は発表資料で、クール氏が統括する4部門中3部門で「15年の利益が大幅に増加し、うち2部門は過去最高益となった」と指摘した。具体的な数字は示していない。
クール氏は14年、パンパード・シェフCEO就任とほぼ同時期にジョンズ・マンビルの会長職を退いた。同氏はバークシャーなどが買収を通じて誕生させたクラフト・ハインツの取締役も務めている。
原題:Buffett Protege Turns to Job Cuts to Revive Berkshire Units (1)(抜粋)
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更新日時: 2016/03/03 15:33 JST