金融リテラシーを測る5つの質問

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ニッセイ基礎研から金融リテラシーに関するレポートが出ています。

金融リテラシーと老後への準備-ライフプランの設計に必要な知識が不足している | ニッセイ基礎研究所

老後への準備についてのレポートなのですが、そのなかに金融リテラシーの程度を測るための、5問の金融・経済に関するクイズがありました。

これらはLusaridi and Mitchell (2011)等の研究を参考にしたもので、国内外の研究で有名な質問とのこと。金融リテラシーを測る5つの質問、どんな質問なのか、みなさんも一緒に回答してみてください。

複利計算:普通預金に100万円を預金しているとして、金利が年率20%であるとします。5年後、口座残高はいくらになっているでしょうか。
(1)2百万円より多い、(2)2百万円ちょうど、(3)2百万円より少ない、(4)わからない、[正解(1)]

国債価格:現在の金利が1%だとします。将来、金利が3%に上昇した場合、10年満期の1%利付国債の価格はどうなるでしょうか。
(1)上昇する、(2)変わらない、(3)下落する、(4)わからない、[正解(3)]

外国投資:米ドル建て外貨預金に1000ドル預金しているとして下さい。3ヵ月後、円ドル為替レートが円安となった場合、この預金の円ベースでみた価値はどのようになるでしょうか。
(1)増える、(2)変わらない、(3)減る、(4)わからない、[正解(1)]

リスク分散:トヨタ自動車の株価と日経平均連動株式投信(インデックスファンド)では、どちらが変動性(値上がり、値下がりするリスク)が小さい(安全)でしょうか。
(1)トヨタ自動車、(2)ほぼ同じ、(3)日経平均連動株式投信、(4)わからない、[正解(3)]

ドルコスト平均法:次のうち、ドルコスト平均法の説明として正しいものはどれですか。
(1)各銀行が提示するドル為替レートの平均値で投資すること、(2)定期的に一定額ずつ投資すること、(3)値上がりしている時に買い、値下がりしている時に売る投資のこと、(4)わからない、[正解(2)]

出所:金融リテラシーと老後への準備-ライフプランの設計に必要な知識が不足している | ニッセイ基礎研究所



いかがでしょうか? 何問正解できたかが、気になるかもしれません。

しかしながら、私は正答率よりも、一般的な金融リテラシーを測る質問が、複利計算・国債価格・外国投資・リスク分散・ドルコスト平均法というテーマであることに注目しています。

世の中にいろいろ投資法があってよいと思いますが、一般的な投資の「基礎」が何かという点に限って言えば、それは上記の5問のような内容であり、それは個社のビジネスモデル研究でもなければ、チャートの形でもないということです。

いや、それぞれ、知っているのであれば知っているに越したことはない知識だとは思いますが、それは一般的な金融リテラシーの基礎ではないということです。

言うまでもなく、基礎は重要です。おおむね上記の基礎的な金融リテラシーを知っていればすんなり入っていけるのが、インデックス投資でもあります。

インデックスファンドを定時定額(ドルコスト平均法)でひたすら積み立てるだけのインデックス投資家のことを、よく「思考停止だ」と揶揄する声があります。でも、基礎をしっかり固めることと思考停止することは、まったくの別物です。

むしろ、基礎である複利効果や分散効果をろくに説明できない人が、いくらビジネスモデルやチャートを熱弁しても、基礎がないので往々にしてちゃんちゃらおかしい論理展開になりがちです。そして、後から振り返ると、単純なインデックスファンドの積み立てに、平均的には負けがちです。

繰り返しになりますが、基礎があっての応用です。


<ご参考>
2012/08/29 インデックス投資の具体的方法 8ステップ
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