覆せるか…3原発可能性 電力会社反発
原子力規制委員会の有識者調査団が3日、北陸電力志賀(しか)原発(石川県)の敷地内に活断層がある可能性を指摘する報告書案をまとめ、活断層の疑いが指摘されていた6原発10基の敷地内断層の評価が出そろった。このうち活断層の可能性が指摘されたのは志賀を含めて3原発。電力各社は反発しており、今後の安全審査では、有識者調査団の活断層認定を覆すことができるかが焦点になる。
規制委は、前身の原子力安全・保安院から追加調査の必要性を指摘されていた6原発について、有識者による現地調査団を作って調査を続けてきた。このうち、今回の志賀1、2号機のほか、▽日本原子力発電敦賀2号機(福井県)▽東北電力東通1号機(青森県)について、活断層の可能性があると認定した。
新規制基準では、活断層の真上に原子炉など重要施設を造ることを認めていない。志賀1号機と敦賀2号機は「原子炉直下にある」と指摘され、廃炉の可能性が高まった。志賀2号機と東通1号機も近くに活断層が通っているため、大幅な耐震補強や施設の移設などの大規模工事が必要となり、再稼働の時期は大幅に遅れる見通しだ。
志賀2号機について、北陸電力は14年8月に安全審査を申請しており、活断層の有無は安全審査で改めて議論される。一方、北陸電は今回の認定について全面的に争う姿勢を崩しておらず、3日の活断層認定を受けて「到底納得できるものではない。審査では主張を裏付ける新たな地質データを説明する」との談話を発表。原子炉直下に活断層があると認定された1号機についても、安全審査を申請する方針だ。【酒造唯】