(cache) インターリーブ～アクシデントに備える - ブログ - 広島校 - 大学受験の予備校・学習塾・個別指導・勉強法は逆転合格の武田塾

こんにちは！今までにない１対１の個別管理の武田塾広島校です。

今回は、
インターリーブ～数学の理解　の続きです。

これまでの実証によって、
インターリーブは数学だけではなく、
ほぼすべての科目やスキルに効果があると言えます。

バドミントンしかり、歴史（同時代に関係する複数の概念を混ぜて
覚える）。バスケットボール。生物学。ピアノ。科学。スケートボード。
もちろん、目隠しをしてお手玉を投げることもそうです。

何を勉強するにせよ、どこかの時点で必ず復習が必要になります。
テストの時期になれば、膨大な専門用語、名称、出来事、
概念、公式の意味や違いを覚えないといけませんし、
バイオリンの発表会に出るとなれば、
完璧に弓を動かし続けないといけません。
学んだことを判別する技術は必ず必要になるのですから、
机に向かうたびに判別する練習をしてその技術を
少しづつ積み上げていけばいいのです。
そのほうが、テストの時期が近づいてから一気に
覚えようとするよりも、ずっといいのではないでしょうか？

先のブログでも述べたように、
ミュージシャンの多くは種類の違うことを混ぜた練習を
取りいれています。
たとえば１時間半の練習時間を設けたら、最初の３０分は
スケール練習をし、次の３０分は新しい曲の譜読みをし、
残りの３０分を弾き慣れた曲の練習にあてる。
こういうやり方が正しいのです。
もっと細かく分割したほうがより良い結果を
生み出せると思うのであれば、
１０分、１５分刻みで違うことを混ぜてもかまいません。
インターリーブを活用するときは、
復習に有効なだけではないと覚えておいてほしいです。
それは、問題、活動、概念の種類を判別する力も
高めてくれます。

スペイン語やギターのレッスンでインターリーブを
活用している人がいます。
スペイン語のレッスンで新しい単語の一覧をもらった
ときは、以前習った単語を同じ数だけその一覧に
加えます。
ギターの練習になると、混ぜる種類はもっと
多くなります（語学の学習に比べて混ぜられることが
多いからそうなるのだと思う）。
まず、１つのキーのスケール練習を２、３回行い、
それから知っている曲の練習に移ります。
たとえばそれが、グラナドスの「スペイン舞曲第５番」
だったとしましょう。
そうしたら次は、その曲でつまずいた箇所の練習に
移り、つまずいた箇所を２回ゆっくりと弾きます。
次に最初とは違うキーのスケールを練習し、
新しく弾き始めたばかりの曲を何小節か練習します。
これで１回の練習としては十分です。
その後休憩をとり、「天国への階段」のリフを
いくつか弾いたら、この名曲の練習に取りかかります。

これがインターリーブです。
科目や技術によって、これを練習に取りいれることで
効率が格段に上がります。
また、すでに知っている、すでに身についていると
思っていることでも、新しい発見やまだ身について
いないことは必ずあると思ったほうがいいです。

インターリーブに関する研究資料を読んでいると、
インターリーブの本質は、予期せぬことに
脳を備えさせることにあるように思えます。
本格的な登山家は、好んでよくこんな言葉を
口にします。
「何か悪いことが起きない限り冒険ではない」
彼らの言う悪いこととは、
ロープが切れる、食料が底をつく、
クマにテントを襲われる、といったことです。
思うに、インターリーブは、軽い度合いのそうした
悪いことに備えさせてくれるのではないかと思います。

テスト、トーナメント、試合、発表会といった場面では、
何かしらの失敗、計算間違い、突然の頭痛、
太陽のまぶしい光、予想に反した論述テーマの出題
といったことが必ず起きます。
突き詰めれば、インターリーブを日々の練習に
取りいれることは、練習に復習の要素だけでなく、
意外性という要素を組み込むための手段なのです。

「脳の異質なものを拾いあげる力には目を見張る
ものがある。そのことは我々が実施した
すべての研究が物語っている」
こう語るのは、トロント大学の神経科学者
マイケル・インズリットです。
「秩序を乱す何か、その場にそぐわない何かを
目にすることが、事実上脳を目覚めさせる。
そして、『なぜそれがここにあるのか？』と
潜在意識に問いかけて、その情報を掘り下げさせる」

種類を混ぜた練習を行うと、学ぶ力全体が向上し、
ものごとの違いを理解する力が高まります。
しかもそれだけではなく、
文字どおりの意味でも比喩的な意味でも、
人生のアクシデントに備えさせてくれるのです。