「ANAのマイル特典航空券は、JALに比べて取りづらい」と一般的によく言われています。特に厳しいのはホノルル線など、国際線の人気路線ビジネスクラス。国際線特典航空券の場合、355日前の特典席開放と同時に往復同日で発券してしまい、後から復路の日付を先に延ばすという裏ワザが有名です。ANA国際線特典航空券は、往路を押さえた者が勝ちです。
この裏ワザについては以下の記事を。
今回は、知っている人は知っている、ANA国内線特典航空券取得の裏ワザをご紹介します。ちょっとしたコツをつかんでいれば、取りにくい特典航空券もかなり取りやすくなります。
マイル特典航空券を「無料の普通運賃」と捉える
飛行機を使った旅行で、まず真っ先に考えることは何でしょうか? ほとんどの人にとって、飛行機の運賃を抑えることは最優先事項だと思います。LCCの利用を考慮したり、レガシーキャリアであっても、ANAなら旅割、JALなら先得など、少しでも安い航空券を探しますよね?
レガシーキャリアの「普通運賃」と比べて、LCCや早期割引は圧倒的に価格が安いです。しかし、それなりの制限があります。
- 予約時期が遅くなるほど価格が高くなる。安く乗るには早期に予約しなくてはいけない。
- 変更が効かない。キャンセル手数料が高くつく。
価格が安い分、便の変更が効かないという制限と、キャンセルのリスクを負うわけです。この2つはセットで考える必要があります。あまり早く予約すると、後々変更する可能性も大きいわけですよね。にも関わらず、便の変更が効きません。最悪の場合、キャンセル手数料を支払って、別の便、別の日付を取り直すしかなくなります。
ではマイル特典航空券はどうでしょうか?
- 開放される座席数に限りがあるため、早期に予約しなくてはいけない。
- 便と日付の変更が何度でも可能。キャンセル手数料はマイルの減算。
マイル特典航空券も早期に予約しないといけないことは早期割引運賃と同じですが、特典航空券なら便や日付の変更が効きます。座席数に限りがあるため、旅行直前での予約変更は実質的に不可能と言っていいですが、予約時期から搭乗時期までに充分な時間があるなら、何度でも変更は効くのです。これはLCCや早期割引運賃との大きな違いです。変更が可能なら、キャンセルの可能性はぐっと低くすることができます。
マイル特典航空券は、ただ単に早期割引運賃より安く済むというものではなく、座席数に限りのある、”無料の普通運賃“と捉えるべきなんです。
変更の自由をフル活用した国内線特典航空券の取り方
国際線特典航空券の場合は、この「変更の自由」を利用して、355日前の特典開放と同時に、往復同日予約からの復路変更という裏ワザを使うことは上で述べました。
国内線の場合はこれと逆に、往復予約からの往路変更という裏ワザを使います。
国内線特典航空券の予約ルール
- 搭乗2ヶ月前の同一日AM9:30から予約できる。
- 往復または2区間以上を予約する場合、復路または2区間目以降は、受付前(開放前)であっても往路と同時に予約できる。
- ただし、復路または2区間目以降の搭乗日は、往路予約取得日の2ヶ月後の同一日から14日以内に限る。
ちょっと堅苦しい文章でわかりにくいですね。
国際線特典の場合は、座席開放されるのは往路復路ともに355日前からでした。そのため「同日予約からの復路変更」を行なうわけですが、国内線特典は、実は往路と復路で開放日が違うのです。
往路は「搭乗2ヶ月前の同一日」、復路は「搭乗2ヶ月前の同一日のさらに14日前」に取れるということがミソです。
鍵になるのは復路
具体的に旅行の日付を決めて考えてみましょう。2016年5月23日~5月25日に2泊3日で沖縄旅行をするとします。
普通に考えると、往路搭乗日5月23日の2ヶ月前の同一日、3月23日AM9:30に往路を予約し、14日後までなら復路もいっぺんに取れるというルールを利用して、2日後の5月25日の復路をいっしょに予約しますよね。
しかし人気路線、繁忙期、週末の場合、3月23日では既に特典の空席が埋まっている可能性があるのです。それを避けるため、「14日後までなら復路もいっぺんに取れる」というルールをフル活用します。
復路5月25日を確実に押さえるため、その14日前、5月11日を暫定的に往路と定めます。これなら、2ヶ月前の同一日、3月11日AM9:30に14泊15日の往復特典をいっぺんに取ることができます。後日、往路を変更し、元々予定していた2泊3日にすればいいわけです。往路の変更は2ヶ月前の同一日、3月23日AM9:30になれば、行なうことができます。
この方法なら、先ほどの例より、12日間も早く復路を押さえることができますよね。これならライバルの数をだいぶ減らすことができます。
- 国内線特典航空券を取るときは、復路を基準に14泊15日の旅程を一時的に押さえ、後から往路の日付を変更する。
これが最大のポイントです。
国内線特典航空券を狙うわかりやすい手順
「2ヶ月プラス14日前」と言っても、月をまたいだりするとややこしいので、カレンダーを見ながら調べる方法を使いましょう。これなら簡単です。
先ほどの例では2016年5月23日~5月25日の2泊3日の旅程を狙いました。
- 復路(5月25日)の2週間前の同じ曜日の日付を調べる→11日とわかる。
- その日付を暫定的な往路にする。
- 暫定往路の2ヶ月前の同一日(3月11日)、AM9:30に14泊15日で予約する。
- 正式往路(5月23日)の2ヶ月前の同一日(3月23日)、AM9:30に往路の日付を変更する。
国内線特典航空券でマイル有効期限を延ばす裏ワザもある
ANA国内線特典航空券は発行日の翌日から90日間有効です。このルールを利用して、マイルの有効期限を実質的に延ばすこともできます。
有効期限切れ直前のマイルで、適当な日付の国内線特典航空券を取得し、その翌日から90日以内に復路を設定した旅程を組めばいいわけです。
また、先ほどの例の2泊3日の旅行も、約2週間は日程を後ろにずらすことができます。2ヶ月と14日後の航空券を取ったわけですから、旅程最終日は約74日後。90日間有効なので、さらに2週間は先に延ばすことができます。
ただ、いずれも、延期(変更)する場合は14日間の復路先取りができません。復路も正確に2ヶ月前の同一日に開放されてからの変更になります。なので、できれば最初に予約する時点で復路を完全に確定してしまうのがベストです。ANA国内線特典航空券は、復路を押さえた者が勝ちなのです。
ちなみに国際線特典航空券の有効期限は1年間です。大量マイルがいっぺんに有効期限切れとなりそうな場合は、適当な国際線特典航空券を発券してしまうという方法がおすすめです。
特典航空券の変更でできないこと
無料なのに意外と自由度が高い特典航空券ですが、できないことももちろんあります。
- 搭乗者の変更はできない。
- マイル提供者の変更はできない。
- 区間の変更はできない。
- 区間数の変更はできない。
- 搭乗日の4日前までしか変更できない。
先ほどの有効期限を延ばす裏ワザでは、「適当な日付の特典航空券を取得」と書きましたが、区間は適当ではダメです。出発地と目的地は変更できません。(例外的に、成田と羽田、伊丹と関西は相互に変更することができます)
単純往復の旅行なら、いずれも、それほど重要な制限ではないですよね。普通運賃の航空券なら当日でも変更が効きますが、特典航空券の場合、出発3日前になって「やっぱり明日行きたい!」とかになっても制度的に変更不可能です。しかし制度的に可能だったとしても、そんな直前まで特典席に空席があるかどうか保証はありませんから、さほど気にする必要もありません。
まとめ
特典航空券は、ただ単に無料であるだけでなく、普通運賃と同じように日付や便の変更が何度でもできることが最大の特徴です。ANA国内線特典航空券を確実に押さえるには、この特徴を活かし、復路を基準として「14泊15日からの往路変更」という裏ワザを使います。
JALと比べてANA特典航空券は取りにくいですから、特に人数が多い旅行の場合はこの方法が重要になってきます。是非覚えておいてください。