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あったか〜い中華料理で心はホカホカ、封神台へレッツゴー!【松澤千晶のアニめし vol.3】

「みんなのごはん」で『少女革命ウテナ』と「グルメ」、『銀河英雄伝説』と「グルメ」について書くという、毎回振り切れた記事を寄稿してくださるアナウンサー松澤千晶さんの連載「松澤千晶のアニめし」の3回目です。深夜アニメを見ていると食欲を刺激されて美味しいものが食べたくなる松澤さん、今回の題材は……?出ました、松澤さんと言えば『封神演義』です。どんなグルメ話が飛び出すでしょうか。(神楽坂のグルメランチ

あったか〜い中華料理で心はホカホカ、封神台へレッツゴー!【松澤千晶のアニめし vol.3】

松澤千晶 グルメレポ 神楽坂 ランチ

こんにちは、松澤千晶です。第3回目となりましたこちらのコラム、そろそろ真面目にグルメに焦点を当てながら……と思ったところで、

 

おっと!こんなところに封神演義が!!!

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これは仕方ありません……私、この作品が大好きなのですよ……ついつい(伏線を張っておきましたが)前回の銀河英雄伝説の流れで持ってきてしまいました。

 

そうです、現在、週刊ヤングジャンプで連載されている銀河英雄伝説の漫画を描かれているのが、この『封神演義』の作者・藤崎竜さんということで……。こうしてここに在るのも何かのご縁、今回はこの「封神演義」についてお話させていただきます。

 

 

封神演義とは

本来は中国を代表する古典文学作品で、今から3,000年以上前……中国・殷王朝の時代を舞台に仙人や妖怪が戦いを繰り広げるお話です。世界最古のSF(すこし・ふしぎな?)作品とも呼ばれていて、三国志や水滸伝と比べるとファンタジー要素が強いのが特徴でもあります。

その原作をもとに、若年層へ向けてもわかりやすく、親しみやすく漫画展開されたのが、今回ご紹介する『封神演義』で、週刊少年ジャンプにて1996年から2000年にかけて連載され、おそらく私くらいの世代(筆者85年生まれ)ですと懐かしく感じる方も多いでしょう……。ちなみに私の中では懐かしいどころか現在進行形のようで、未だに好きな漫画を聞かれる度にこの作品をあげてしまいます。

アニメ化、ゲーム化もされ、非常に人気を博し……と、もっともらしい解説はこのあたりにしておいて、今回コラムを書くにあたって改めて読み返してみましたが……この漫画、面白いですね!!!

 

ご存知ない方の為に簡単(過ぎて申し訳ないくらい)ご説明致しますと、仙人(見習い)である主人公・太公望が、人間界で悪さを働く(とされている)妖怪仙人・蘇妲己を倒すよう命じられると共に、封神計画と呼ばれる謎の任務を課されるところから物語が始まります。次第にその真相が明らかになる中で、仙人同士の戦い、人間同士の戦いが交錯して歴史の移り変わりが描かれてゆく地に足の着いたファンタジーでして……。本来ならば多少難しくも感じられる原作を、これほどポップに、少年漫画的に、ゆるりと広げた風呂敷を丁寧に畳む形で魅せてくれる作品はなかなか無いと思います。

とにかく一人一人のキャラクターが魅力的で、好き嫌いが分かれるのではないかというくらい特徴的に、見た目のデザインから何から何まで突き抜けた表現で潔く描かれているのがこの作品の最大の味付けなのかもしれません。

のらりくらりとしながらも策士である主人公・太公望を始め、最凶であるにも関わらず何故か憎み切れない妲己の存在、敵か味方かわからない己の美学を貫くストーリーテラーから、家族を愛する者、国を愛する者など、それぞれのキャラクターの信念が歴史を作る1ピースとなってゆくのです。

最初は1人だった主人公が、力をつけ、仲間をつけ……1、2、3巻は淡々と進んでいきますが、第4巻「武成王造反」あたりからは国そのものが動き出して一気に盛り上がり、全23巻があっという間のよう。特に、殷の双璧とも呼べる黄飛虎と聞仲が、自身の中にある大切なものを守るべく別々の道を歩む流れは悲しい戦争の縮図のようで、どちらにも共感できるものです。

そして、戦争ものであることから、主要キャラクターでも命を落とす展開が容赦なく待ち受けています。しかし、死に様は生き様……それもまた生きた証なのだと、一人一人が役目を全うしたことを感じ、魂魄の集う場所・封神台へと向かうその魂を見守るのみ……。

 

連載当時、私は大好きなキャラクターが死んでしまったことに衝撃を受け、何とかその気持ちに折り合いを付ける為に個人的に弔いの儀式をあげたほど……思春期の自分にとっては辛いものがあり、そのくらい血が通ったキャラクターだったのだと思います。この死に方は考えてなかったさ……はい、私も

また、今となっては当たり前かもしれませんが、あの頃としては珍しく一人のキャラクター(あるいはユニット)が1巻ずつ単行本の表紙を飾ってゆくスタイルで、新しい巻が発売する度に、次は誰だろう……とわくわくしたものです。個人的には8巻の表紙が大好きです。お話の流れ的には19、20巻の表紙も凄く良いですね。

 

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封神演義といえば

少々感傷に浸ってしまいましたが、ここまで書いたところで、こちらがグルメコラムだったことを思い出しました。何か食事に関する情報をお届けしなければなりません。そんな封神演義を読んでいると食べたくなるものと言えば……やはり中華料理ではないでしょうか。作中では3分間クッキングとか、お料理対決みたいなものも、一応ありましたから。

 

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以前、中国や香港を旅行した際にあちらこちらに封神演義っぽさを感じたもので(中国が舞台のお話なので当たり前ではあるのですが)、そこでとにかく美味しかったのが、香港市内にいくつか展開している「添好運」というお店。台湾やシンガポールにも店舗があり、お手頃価格ながら本格的なメニューを堪能できる世界一安いミシュランとも呼ばれています。気軽に入れるお店ですから、お近くにお立ち寄りの際は是非足を運んでみてください。私も近々また行きたいところです。

 

こうしたものが日本でも食べられないかと、よりお手軽に中華を感じられるものは何だろうと考えたところ、中華まん=肉まんであることを思い出しまして……封神演義の中では丼村屋というどこかで聞いたような名前のお店が出てきて、太公望がこちらのあんまんをおやつとして大変気に入っていたものです。

 

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肉まんですと大阪の551蓬莱が人気ですが、その他にも美味しいお店がたくさんあるもので、私は東京・神楽坂にある「五十番」が大好きです(写真は「五十番 2号店」)。こちらの肉まんは種類豊富で大きなサイズは単行本くらいあるものですから、これひとつで一日くらいは戦えそうですね。

 

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肉まん片手に気分は太公望!まだ触れたことの無い方はこれを機に、ご存知の方も今一度、封神演義を嗜まれてみては如何でしょう。

 

こうして改めて触れてみると実に夢中だったあの頃を思い出して、私はこの作品からいろいろな気持ちをいただいたのだと感慨深くなりました。

 

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連載時から20年が経とうとしていますが、今なお鮮やかに、私達の心に彩りを与えてくれる素晴らしい作品です。

 

 

紹介したお店

五十番 2号店

住所:東京都新宿神楽坂5-12-5

TEL:03-5228-3566

 

 

著者プロフィール

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松澤千晶(まつざわ・ちあき)

フリーアナウンサー。
深夜アニメはリアルタイムで見るよう心がけています。

                             
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