Updated: Tokyo  2016/03/03 12:33  |  New York  2016/03/02 22:33  |  London  2016/03/03 03:33
 

米スプリント、周波数帯域を担保に-目先の調達で選択の余地狭まる

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    (ブルームバーグ):ソフトバンクグループ傘下の米携帯電話サービス会社スプリントは、時価総額の2倍を超える340億ドル(約3兆8700億円)の負債を減らし始める計画を立てている。

タレク・ロビアティ最高財務責任者(CFO)によれば、ソフトバンクの下にもう一つの子会社を作り、同子会社がスプリントに資金を貸し付ける仕組みが提案されている。新子会社は担保として、スプリントの無線設備と一部の無線帯域を受け入れる。ブルームバーグ・インテリジェンスによれば、これらの周波数は1150億ドル余りの価値があり、スプリントはその権利を放棄するわけではないが、この融資契約によって今年30億-50億ドルの借り入れを目指すという。

ギミー・クレジットのアナリスト、デーブ・ノボセル氏は「周波数帯域はスプリントの持つ最も価値ある資産の一つだ。スプリントはキャッシュフローで評価することはできないが、周波数帯域に基づいた評価は可能だ」と指摘した。

周波数帯域を担保とするのは珍しい方法で、高利回り債市場の環境が悪い中でスプリントが短期的な選択の余地を失いつつあることが示唆される。同社は今年、23億ドルの債務支払いを控えている。2020年末までには100億ドルの返済が待ち受けている。

スプリントは8年連続赤字に向かっている。ソフトバンクグループの孫正義社長は借り入れの担保となる資産を模索してきた。昨年はスプリントの電話リース資産に基づき、別のソフトバンク子会社が12億ドルを支払った。周波数帯域は電話よりも重要な資産となり得る。

原題:Sprint Plans to Mortgage Airwaves as Short-Term Options Run Out(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Scott Moritz smoritz6@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jeff Muskus jmuskus@bloomberg.net

更新日時: 2016/03/03 03:54 JST

 
 
 
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