イノベーション
2016年に予測されるIoTの動向Top5
- Mar 2, 2016
freshtraxで過去何度も取り上げてきたIoT(Internet of Things)は、今や私たちの生活に欠かせない存在となっている。IoTと聞いて思い浮かべるものは、ウェアブルウォッチやお掃除ロボなど既にマーケットに出回っているものかもしれないが、実はIoTが持つその可能性は年々広がり多種多様な業界が新たなソリューションとしてIoTを活用しているのだ。
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そんなIoTの大きな波が来ている中、今回はアメリカのリサーチ会社BI Intelligenceの調査報告を基に、今年予測されるIoTの動向Top5を紹介していきたい。
予測1: アメリカに輸送される自動車2/3がインターネットとの繋がりを持つ
昨年、世界中からアメリカに輸送された自動車のうち約35%~40%がインターネットに繋がれている”コネクテッドカー”であることが判明し、昨年の初めに予想された23%を大きく上回る結果となった。このことから、今後自動車とインターネットの繋がりがさらに強くなることが期待され、今年アメリカに輸送される自動車のうち2/3がインターネットに繋がることが予想される。
この恩恵を一番に受けるのは、自動車の製造会社と言えるだろう。その主な理由として、自動車のIT化により、彼らが製造した自動車がどのように使われるかがデータ上で一目瞭然となること、OTAで自動車のアップデートが可能となること、この2点が挙げられる。また、自動車の開発技術における消費者の需要が増えていることから、ニーズや問題点を把握し、商品の改善に繋げていく上でIoTは欠かせない。実際にアメリカ、中国、ドイツのバイヤー達の37%は、データやメディア、アプリとのアクセスがある自動車があれば、その製造元の会社に積極的にアプローチをかけたいと答えている。
予測2.:自動運転に関する規制制定に向けて、連邦政府が動き出す
現在アメリカ国内で自動車の自動運転における技術が進んでいく中、自動運転の規制が今だ確立されていないことが問題として浮上している。この事実から、昨年の終わり頃にUS Secretary of Transportation Anthony FoxxがNational Highway Traffic Safety Administrationに安全な交通規制を整えるために、自動運転のポリシーをアップデートするよう要請した。
なお、消費者が一般道路で自動車を自動運転できるようにと、California Department of Motor Vehiclesが規制に関する提案書のドラフトを先日発表。これを受け今年中に連邦政府が国内に向けて自動運転の為のガイドラインを公表することが大いに予測される。現在、2019年までに消費者が自動運転の自転車を購入することができると予想されてるが、全てはアメリカ連邦政府の今後の動きによって左右されると言っても過言ではないだろう。
予測3:サイバーセキュリティを守る為に必要なのは、保険会社のイニシアチブ
多くの企業がサイバー攻撃の脅威にさらされている中、クレジットカードや保険の個人情報データの窃盗ケースが後を絶たない。デバイスのハッキングや情報漏えいに留まらず、遠隔操作で全てがコントロールされるなんてこともあり得る。IoTの成長過程と同時にこのような問題が浮き彫りになっていることは非常に恐ろしく、一刻も早い打開策が必要となるだろう。
昨年には数多くのハッキングが見られ、中でも代表的な事例として”ジープ・ハック”が挙げられる。これはジープの製造会社FCA社が、IoT機能を介してジープのハッキングに成功し、インターネットに繋がれた自動車の脆弱性を証明したというケース。サイバーハッキング防止に向けた保険契約の需要がさらに高まる一方、サイバーセキュリティーのリスク監査をすることが難しいことから、サイバー保険契約を保持している保険会社は非常に少ない。サイバーセキュリティの安定性が危ぶまれる中、各保険会社が今後サイバーセキュリティー対策の強化に向けてどう柔軟に対応できるかがカギとなるだろう。
予測4:IoTソリューションが不安定な石油価格を打破
石油会社による石油の過剰供給と消費者の需要減少を受け、ここ最近で石油価格が不安定な展開を続けている。事実、多くのアナリストが今後石油の価値が原油と同じ価値まで下落すると予想している。利益の増収、オペレーションの効率化、石油の抽出コストの減少をキーワードに石油会社は新たな解決策が必要とされる。
この解決策として、上層から下層までを含めた全てのサプライチェーンでIoTデバイスと解析システムの導入が必要と予想される。Ciscoの調査結果によると、IoTソリューションを上手く活用することができれば、年収500億ドルの石油会社は更に10億ドルの収入が見込まれる計算となる。石油業界やガス業界でIoTのシステム導入が話題となる日は案外近いのかもしれない。
予測5:保険業界がIoTヘルスケアとホームデバイスを導入
昨今、保険会社はリスクを減少し保険契約を価格化するために、IoTデバイスを積極的に活用をしている。昨年IoTデバイスが使われた代表的な理由として、自動車保険加入者の運転方法によって保険条件を柔軟に変更できるようにするため、加入者が自動車をどのように運転しているかをデータ化するという事例が挙げられる。
また、今年は保険会社によるIoTデバイスの利用範囲が住宅、健康、自動車と包括的に拡大していく傾向にあると予測されている。Accentureが行った調査によると、2014年~2015年にローンチした保険会社のうち、ホームデバイスやヘルス・フィットネスモニターを導入する保険会社がほとんどだったことが判明した。つまり、今後保険会社はIoTデバイスの導入をすぐにでも検討する必要があるだろう。
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