膀胱も尿吸収か、頻尿解明につながる成果 京都府立医大
尿をためる臓器の膀胱(ぼうこう)が、尿を吸収する機能も併せ持つ可能性が高いことを、京都府立医科大の渡辺泱名誉教授らが突き止めた。高齢者の頻尿や子どもの夜尿症の新たな原因解明につながるという。日本泌尿器科学会誌にこのほど発表した。
膀胱は、腎臓で作られた尿の貯留機能を持つが、吸収はしないと考えられている。一方、睡眠時の膀胱容量を継続して計測した研究はこれまでなく、正確な推移は不明だった。
渡辺名誉教授らは、10~40代の男女24人に三次元超音波断層法を用いることで、継続した夜間の膀胱容量測定に成功した。結果、入眠後、短時間で平常時の限界容量に達した後、約6時間後に覚醒するまで容量が一定となるケースのあることが判明。この間、容量減少も観察された。
渡辺名誉教授は、容量が一定に保たれた上、減少が計測された結果について「膀胱で尿が吸収されたと考えるのが妥当」と説明。高齢者の夜間頻尿や夜尿症の発症原因を考える上で重要な知見といい、「膀胱に関する生理学を根本的に考え直す必要がある」としている。
【 2016年03月02日 22時40分 】