「SIerと書くな」と指摘する投資家の意図--クリエーションライン

松下康之 山田竜司 (編集部) 2016年03月03日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ビジネスを支えるITシステムがスマートフォンを接点としたモバイルアプリケーションに、そしてそれを支えるクラウドインフラストラクチャをベースにしたスケールアウトできる柔軟なシステムに凄まじい勢いで移行しようとしている。ソフトウェアの開発スタイルも従来のウォーターフォール型からビジネスの変化に対応できるアジャイルなスタイルへと変わる時、これまでの大規模開発の請負が主だった日本のシステムインテグレーター(SIer)に何が起こるのだろうか。


クリエーションライン 代表取締役社長、安田忠弘氏

 従来の開発ツール、運用ツールから素早く開発を行い、即時に本番環境にデプロイするためのツールを使いこなせることがシステムインテグレーターに求められる時代になったと言えるかもしれない。そんななか、実装やプロビジョニングを自動化するソフトウェア「Puppet」や「Chef」、さらにコンテナの「Docker」や継続的インテグレーション(CI)ツール「Jenkins」などのツールを使いこなすシステムインテグレーターがある。今回はアジャイルとDevOps、クラウドの利用のSIerであるクリエーションラインの代表取締役社長、安田忠弘氏に話を聞いた。

――現在のクリエーションラインのビジネスの概要は。

 われわれのビジネスは主に3つの柱から成り立っています。OpenStack、CloudStackなどのプライベートクラウド基盤構築やSoftLayer、Microsoft Azureなどのパブリッククラウドのコンサルティング、企業のITインフラの管理監視を行うManagement Service Provider(MSP)業務、それにビッグデータ、特にApache Sparkに関わるコンサルティングです。最新のテクノロジをいち早く取り入れるという意味ではDockerやChefなどの公認パートナーになっています。クラウドではよく使われる開発環境ツール「Vagrant」や「Packer」でお馴染みのHashi Corpのパートナーにもなっています。

――クリエーションラインはHashiCorpやDockerの勉強会の講師を務めることが多く最先端のDevOps関連製品に注力しています。そのトレンドを先取りできる理由は。

 確かに勉強会などで最新のソフトウェアの話をする社員が弊社には多くいます。基本的には社員がいま勢いのあるソフトェアを「これをやりたい!」と提案してくるという感じです。それがオープンソースであればコミュニティの活気やどの企業が使っているのかや、メディアでの評判などを総合的に考えてその分野に採用するかどうかを決めます。

 最終的に判断するのは私ですが、まずはエンジニアの思いを大事にしています。そうすることで結果的にエンジニアのやる気も出ますし、自分が興味を持っているソフトウェアなのでさらに調べたくなる。そうすると外から見ても「あのソフトウェアをやってるクリエーションラインって面白いな」と思ってもらえるためリクルートにも役に立つのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
データドリブンな経営
情報通信技術の新しい使い方
米ZDNet編集長Larryの独り言
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
田中克己「2020年のIT企業」
大木豊成「Apple法人ユースの取説」
林雅之「スマートマシン時代」
デジタルバリューシフト
モノのインターネットの衝撃
松岡功「一言もの申す」
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
今週の明言
アナリストの視点
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
モバイルファーストは不可逆
通信のゆくえを追う
スマートデバイス戦略
セキュリティ
ベネッセ情報漏えい
ネットワークセキュリティ
セキュリティの論点
OS
XP後のコンピュータ
スペシャル
より賢く活用するためのOSS最新動向
HPE Discover
Oracle OpenWorld
AWS re:Invent 2015 Report
「Windows 10」法人導入の手引き
北川裕康「データアナリティクスの勘所」
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
マーケティングオートメーション
AWS re:Invent 2014
Teradata 2014 PARTNERS
Dreamforce 2014
Windows Server 2003サポート終了
実践ビッグデータ
VMworld 2014
中国ビジネス四方山話
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化
NSAデータ収集問題