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【アメ横に突撃】トルコのSNS事情ってどうなってるの?ケバブ屋のトルコ人に聞いてみた。

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はじめまして、kakeruライターの加藤友史郎です。

最近、東京オリンピックに向けて訪日観光客が増えてきましたね。みなさんも、街中で外国の方をよく見かけるんじゃないでしょうか?

”ソーシャルメディアの可能性を探求するkakeru”としては、外国の方がどのようにSNSを利用しているのか?というテーマも取り上げるべきだと考えています。

そこで、まずは「トルコ人のSNS利用」について調査してみようと思い立ちました。

なぜトルコ人のSNS事情を調査するのか?

みなさんは、トルコのインターネット・SNS事情についてどんな印象をお持ちですか?
ほとんど知らないという方が多いと思いますし、私もつい先日まではそうでした。しかし、少し調べてみるととても興味深いデータが…今回の調査を思い立った3つの理由をご説明します。

1.トルコは近い将来SNS大国になる可能性を秘めている?

2013年の調査データですが、トルコのスマートフォンの普及率はアジアの新興国のタイ(31.0%)とほぼ同水準の29.6%と、かなり高い数値となっています。しかも、トルコはインターネット利用者の約85%がFacebookを利用しており、近い将来SNS大国になるのでは、と考えています。

2.トルコでは政府によりSNSの利用が禁止されたことがある

もう一つ、トルコのSNS事情で抑えておきたいのが政府による検閲についてです。トルコでは、これまでに何度か政府によりSNSへのアクセスを禁じられたことがあります。最近だと2015年4月7日のこちらのニュースをご存知でしょうか?

当局がSNSなどを含む少なくとも166サイトについて、アクセス遮断の裁判所命令を要請するという事件が起きていました。

3.トルコ人の国民性に興味がある

私の自宅の近所にケバブ屋があり、いつも店主のおじさんがハイテンションで話しかけてくれます。国民性の違いなのでしょうか? もしかすると陽気な国民性がSNSの使い方に反映されているかもしれません。

気になって、居ても立ってもいられません。一体トルコ人はどのようにSNSを活用しているのでしょうか?

ということで、「アメ横」にやってきました。

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ケバブ屋の激戦地区といえば上野「アメ横」。陽気なケバブ屋のおじさんなら、突撃取材をしても快く受けてくれる、そんな期待を胸にアメ横にやって来ました。

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この日はあいにくの雨。しかし、そんなことは関係ありません。私はケバブ屋のおじさんのことを、そして「トルコ人のSNS利用調査をする」という使命感に燃えているのです。

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さて、ケバブ屋を探しながらアメ横を歩いていると、道行く人にハイタッチを求めている外国人を発見。

ケバブ屋「ビッグドネルケバブ」の呼び込みをしていたので早速突撃取材を申し込みました。

トルコではソーシャルメディアを「見るだけ」の人が多い?

加藤:トルコ人……ですか?

ザザさん:そうだヨォ!!!!!

加藤:(やはりテンションが高い)トルコの方にSNSの利用について取材してるんですけども……ケバブ食べるんで、取材してもいいですか?

ザザさん:もちろんだヨォ!!!!!!

加藤:じゃあ早速ですが、ザザさんって普段どんなSNSを使ってますか?

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ザザさん:ん~、スマホに入れてるのは、FacebookInstagramTwitterでしょ、あとLINETangoBip、WhatsAppもやってるネ!

加藤:たくさん使ってるんですね。TangoとBipは初めて聞いたのですが、どういうSNSですか?

ザザさんTangoとBipは、なんとなくLINEに似てるかな。トルコではLINEと同じように使ってるし。WhatsAppも同じような使い方をしてるヨ。

加藤:そうなんですね! SNSの使い分けってどのようにしているんですか?

ザザさん:Facebookをやってない友達とはWhatsAppで、WhatsAppもやってない友達とはTangoやBipでコミュニケーションを取ってるネ!

加藤:なるほど、相手の利用しているSNSに合わせて複数のSNSを持っているんですね。

ザザさん:そう! いろんな友達がいるし多いからネー!

加藤:日本とトルコで、SNSの利用方法に違いはありますか?

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ザザさん日本にいてもFacebookやInstagramの使い方はほとんど同じかな。遊んだり、ご飯食べたときの写真をアップしたりするヨ。だけど、トルコ国内では政治的な自分の意見を言う人が多いネ。

加藤:そうなんですか!

ザザさん:でもね、政治的なコメントをすると政府に捕まることもあるんダヨネ…

加藤政府の検閲で何度かFacebookやTwitterの使用を禁じられたことは話題になっていましたが、捕まることもあるんですね……

ザザさん:そう。過激な発言も多いからだと思うけど。だから、ソーシャルメディアは投稿せずに見るだけの人が増えているヨ〜。

1軒目のまとめ

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TangoとBipという初めて耳にするSNSを使っていたザザさん。利用しているSNSを表でまとめるとこんな感じになります。

店名 ビッグドネルケバブ
名前 ザザさん
国籍 トルコ共和国
年齢 30代
来日 5年前
デバイス iPhone
利用しているSNS Facebook、Instagram、WhatsApp、LINE、Twitter、Skype、Bip、Tango

政治的背景からトルコ人の方は日本人よりもSNSでの発言に気を配っているように感じました。また、多くのSNSを活用できる器用さは、歴史的にも貿易の要所として発展したトルコの国民性を反映しているように思いました。

それにしてもトルコの人って、みんなこんなに気さくなのかと驚きました。もちろんケバブも美味しく頂きました。ザザさん、ごちそうさまでした!

トルコの40代はソーシャルメディアの使い方が柔軟!

再びアメ横を歩いていると、大声で「大盛り1.5倍サービス」を主張するおじさんを発見。すぐに声をかけました。

加藤:こんにちは。トルコ人……ですか?

Mさん:ん!? ソウダヨ!

加藤:ケバブ食べるので、取材しても大丈夫ですか?

Mさん:Oh! もちろんイイヨー!

加藤:Mさんは、普段どんなSNSを使ってますか?

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Mさんよく使ってるのは、Facebook、WhatsApp、Viber、LINE、Instagramかナ〜。

加藤:なるほど、その中で一番よく使うSNSはどれですか?

Mさん一番よく使うのはFacebookダネ! 友達の影響でよく使うようになったヨ。友達は旅行とか、何かイベントがあったときに投稿するけど、私は見るだけか、メッセンジャーを使ってるネ。

加藤:では、トルコにいる友達とコミュニケーションを取るときに使っているSNSはありますか?

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Mさんトルコにいる友だちとは、WhatsAppで連絡を取るのがメインだネー。音質もいいし、いいアプリだヨ。だけど、日本人の友達とはLINEで連絡を取ってるかナー。

加藤:なんで日本にいる友達はLINEなんですか?

Mさん:使いやすいし、日本の友達はみんな使ってるからネ!あ、でも日本にいるトルコ人ともLINEで連絡を取るヨ。

加藤:国内のコミュニティーではLINE使ってるんですね! スタンプなんかも使ってるんですか?

Mさん:もちろん使ってるヨ!

加藤:へえ、どんなときに使ってますか?

Mさん:女の子に使うと評判良いんダヨ~(笑)

2軒目のまとめ

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女の子の話になると少し照れくさそうにしていたMさんのSNS利用状況はこんな感じです。

店名 モーゼスさんのケバブ
名前 Mさん
国籍 トルコ共和国
年齢 40代
来日 10年前
デバイス iPhone
利用しているSNS Facebook、WhatsApp、Viber、LINE         

2軒目のMさんは、LINEとFacebookの使い分けや、国内外のコミュニティーに応じたSNSの使い分けをしていました。そして、日本の40代男性と比較すると、ソーシャルメディアの使い分けへの意識の強さがとても印象的でした。

もちろんケバブも美味しく頂きましたが、私の胃袋では次が限界のようです。

トルコのソーシャルネイティブ世代に流行のSNSは?

さて、ここまでの2軒、「ケバブを食べる」というアイスブレイクで、おじさんの懐に飛び込んだ私にはもう何の迷いもありませんので、3軒目の方にはすぐに声をかけました。

加藤:お兄さんは……トルコ人ですか?

メメットさん:そうですヨ。

加藤:ケバブを食べるので、取材してもいいですか?

メメットさん:オーケー。 イイヨ!

加藤:というかお兄さん若いですよね? おいくつですか?

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メメットさん19歳ダヨ!

加藤:ソーシャルネイティブ世代ですか! よく使うSNSは何ですか?

メメットさんFacebookとLINEとInstagramとWhatsAppだネ。

加藤:トルコの友達とのコミュニケーションにはどれを使いますか?

メメットさんトルコの友達との連絡はほとんどFacebookダネ。たまにWhatsAppかナ。トルコではWhatsApp使ってる人が多いからネ〜。

加藤:日本にいるトルコ人の友達とはどうやって連絡取ってますか?

メメットさん:やっぱりFacebookだネ!

加藤:では、LINEはどういうときに使ってますか?

メメットさんLINEは日本人の友達と連絡を取るときが多いネ。日本ではほとんどの人がLINEを利用しているからネ。

加藤:他にSNSの流行に関して、トルコと日本での違いはありますか?

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メメットさんトルコではTVスターがInstagramでたくさんポストしていて、日本よりポピュラーな印象だネ。その影響で友達もほとんどInstagramを使ってるヨー。

加藤:芸能人のInstagram利用が進み普及率が高まっているという点は日本もトルコも同じみたいですね。

メメットさん:うん、Instagramは今一番勢いのあるSNSだと思ってるヨ!

3軒目のまとめ

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ソーシャルネイティブ世代どまんなかの声を聞かせてもらいました。中央のおじさんは、なんとその場でオリジナルソースを作ってくれました。

店名 オスカーケバブ
名前 メメットさん
国籍 トルコ共和国
年齢 19歳
来日 2年前
デバイス iPhone
利用しているSNS Facebook、LINE、Instagram、WhatsApp、Viber         

メメットさん曰く、トルコでは若い世代を中心にInstagramの利用が進んでおり、平行して若者を含めてほとんど全員Facebookアカウントを持っているそうです。

日本では10代のFacebook離れが進む一方で、トルコの若者の多くは基本の連絡先としてFacebookアカウントを持っているようです。

まとめ

取材を受けてくれた3名の方は、Facebookを中心に複数のSNSを使い分けていました

特に印象的だったのは、コミュニティーによるSNSの使い分けです。国内外に多国籍の友人がいる彼らは、それぞれの国のトレンドとメディアの特性を踏まえ、上手にSNSを使い分けています。

日本では、プライベートでのやりとりはLINEの一強状態になっていますね。
私の周りでは、仕事ではFacebookメッセンジャーを使っているという方もいますが、今回取材をしたトルコ人の皆さんほどには使い分けをしていない印象です。

ひとつには、日本国内で日本人と連絡をとる分には使い分ける必要がないということもあるでしょう。
しかし一方で、ツールを使い分けることによって新しいコミュニティとの繋がりを開拓できる可能性を捨ててしまっているような印象もあります。

今、日本でもソーシャルネイティブ世代では複数のSNSをコミュニティ別に活用することが当たり前になってきています。今回取材した在日トルコ人の3人のように、日本でも複数のSNSを使いこなし、様々なコミュニティと繋がりを持てる時代も近いはずです。

Viver、WhatsApp、Tango、Bipなど、初めて聞く名前のSNSもあったかもしれません。
みなさんも積極的に使い分けることで世界を広げてみてはいかがでしょう?

次回も、私が気になる外国人のSNS利用について調査していきます!

それではまた。

加藤 友史郎
熊本県出身のソーシャルメディアコンサルタント兼kakeruライター。留学で訪れた英国での経験から、国内外問わず新たな発見を常に求めている。隙あらば自然とふれあうため、散歩で季節を感じることを日課とする。
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