性同一性障害、更衣室で人格権侵害 京都地裁初弁論
性同一性障害のため女性への性別適合手術を受け、性同一性障害特例法の規定で戸籍は男性から女性に変えられない京都市の40代会社経営者が、スポーツクラブから男性として施設を使うよう求められたのは人格権の侵害だとして、運営元のコナミスポーツクラブ(東京)に約470万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が2日、京都地裁(牧賢二裁判長)であった。コナミスポーツクラブ側は請求棄却を求めた。
コナミスポーツクラブ側は答弁書で、「日本社会で男女を区別する際の基本は戸籍だ。他の会員への配慮や説明責任の観点からも、戸籍に従った取り扱いが必要」とした上で、「カウンセリングルームなど男女の区別のない場所を更衣室として使用することを提案した」と主張した。
手術を機に男性更衣室以外を使えるよう配慮を求めた原告は意見陳述で、「店長からの提案はあったが、数日後に本社の指示を理由に取り消された。私と面談もしていない本社の人が決定したのは疑問だ」と反論。「性同一性障害特例法の定める条件で、私は未成年の娘がいるため、男性戸籍から女性戸籍に変えられない。変えないのではない」と訴えた。
【 2016年03月02日 14時00分 】