北陸新幹線の敦賀以西ルートを協議する与党検討委員会は先月で自治体などからの聞き取りを終え、五月までに複数ルートに絞り込む段階に入った。東海道新幹線の米原駅につなぐルートを主張する滋賀県選出で、検討委メンバーの上野賢一郎衆院議員（滋賀２区）に今後の展望などを聞いた。

　−滋賀県が推す「米原ルート」は不利だとか、小浜市から京都駅に入るＪＲ西日本の推す案が有力との見方が出ている。

　態度をはっきりとさせていない委員もいる。明確に米原を推しているのは滋賀と石川の二委員。ただ米原が難しいと言われる理由は、一つはＪＲ西が消極的なこと。もう一つは関西広域連合が、いったん米原ルートを主張していたのに見直したから。米原を推す声は最初の方は多かったが、終盤になるにつれて打ち消すような発言も続き、印象として「ちょっと」という感じだ。

　−ＪＲ西が米原ルートに難色を示す理由として、米原から乗り入れるＪＲ東海の東海道新幹線の過密ダイヤなどを挙げている。半面、三日月大造・滋賀県知事は「乗り越えられない課題ではない」と指摘する。

　僕もそんなに大きな問題ではないと思う。ＪＲ西が自分たちの収益を大前提に考えた時、米原ルートでは困るということだと思う。

　−米原以外だと早期開業が遠のくのでは。

　確かにＪＲ西の案も京都を通って新大阪まで（東海道新幹線と）別線で引くと言うが、簡単ではないと思う。もっとも検討委も具体的に財源の話まで行っていない。あまり絞り込まずに、調査対象を広めにした方がいいと思っている。今後二週間に一回ぐらいのペースで精力的に話し合っていく。

　（井上靖史）