パームビーチ〈フロリダ州〉=中井大助、スタフォード〈テキサス州〉=平山亜理 マイアミ=奥寺淳
2016年3月3日05時04分
「トランプ旋風」が止まらない。これまでの3連勝に続き、米大統領選の共和党候補者選びの最大の山場「スーパーチューズデー」でも圧倒的強さを見せた。党の主流派は焦るが、トランプ氏を阻止する動きは足踏みを続けるだけ。候補者一本化への道筋は見えず、同氏の指名獲得に向け、さらに有利な状況が生まれつつある。
共和党の先頭を走るトランプ氏は、11州のうち7州での勝利。通算成績を「15戦10勝」とし、さらにリードを広げた。
1日夜、トランプ氏は、いつものゆっくりした足取りで会見場に現れた。「再び米国を偉大にする」「もう誰にも(米国に)ちょっかいを出させない」。威勢のいい言葉が続いた。
背後には、元々はライバル候補だったが、つい4日前にトランプ氏支持を打ち出したニュージャージー州のクリスティー知事(53)が立っていた。
特に誇ったのは、党勢の拡大だ。初戦アイオワ州に始まり、最初の4州ではいずれも共和党の投票者数が前回4年前より大きく増えた。過激な発言などで党を分断していると批判されてきたが、トランプ氏は「我々が共和党を大きくしているのだ」と胸を張った。
トランプ氏は、10日ほど前までは2位以下が結束する「反トランプ連合」結成の可能性を気にしていた。「テレビの評論家が言っていた。候補者が選挙戦から脱落し、その分の支持票が束になれば首位トランプに追いつくとね」
しかし、「エスタブリッシュメント」と呼ばれる主流派の代表格だった元フロリダ州知事のブッシュ氏が脱落した後も、トランプ氏の優位は揺るがない。直前には白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」の元幹部からの支持表明を明確に拒否しなかったとして集中砲火を浴びたが、選挙に響かなかった。
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朝日新聞国際報道部
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