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街の顔が一変 大規模開発ラッシュ「渋谷」の近未来
東京大改造マップ2016-2020(3)

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2016/2/1 6:30
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日経アーキテクチュア

 2020年の東京五輪・パラリンピック開催という世界的イベントを控え、変貌を遂げる首都・東京。大規模開発が各所で進行中だが、駅周辺の再開発によって近年の地域間競争での劣勢を跳ね返そうとしているのが「渋谷」だ。公園通り沿いなど、より広域で動きが具体化してきた。

 近年の地域間競争でランクを落としていた渋谷が、駅周辺の大規模再開発で脚光を浴びている。

 渋谷は、JR東日本の駅別乗車人員数で2012年度まで19年にわたって3位につけていたが、2013年度、2014年度は東京、横浜に抜かれて5位に後退。オフィス街としても、かつては「ビットバレー」と呼ばれベンチャー企業の集積地としてにぎわったが、駅周辺に大規模なオフィスビルが少ないため、近年は恵比寿・目黒などの周辺地域や六本木に需要が流れていた。

 こうした状況の打破を目指すのが、駅周辺の4つの街区で進む再開発だ。

 駅周辺の4街区では、2027年度までに合計約4.3ha(ヘクタール)の土地に9棟(教会1棟を含む)を建設。延べ面積が合計約69万m2(平方メートル)に上る大規模開発で、約25万m2のオフィススペースを提供する見込みだ。

 明治通り、国道246号に接する南街区(図1)のプロジェクトでは、約180室を擁するホテルを整備し、一帯の宿泊需要に応える。

 最も中心部の渋谷駅街区(図2)の東棟は高さ約230mを予定し、渋谷の新たなシンボルとなる。このビルに隣接する中央棟(駅ビル)、西棟を除いて4街区の再開発ビルは2020年度までに完成予定。東京五輪開催時には「東京の顔」の一つとして、国内外の多くの観光客を迎えるだろう。

図1 渋谷駅南街区の計画地を駅側から見る。渋谷川の西側(写真右手)に続き、川の東側の一部にも対象区域がある。川の存在を生かした整備となる(写真:日経アーキテクチュア、2015年12月撮影)
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図1 渋谷駅南街区の計画地を駅側から見る。渋谷川の西側(写真右手)に続き、川の東側の一部にも対象区域がある。川の存在を生かした整備となる(写真:日経アーキテクチュア、2015年12月撮影)

図2 渋谷駅街区の再開発では、駅直結のビル3棟を建てる計画(写真:日経アーキテクチュア、2015年11月撮影)
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図2 渋谷駅街区の再開発では、駅直結のビル3棟を建てる計画(写真:日経アーキテクチュア、2015年11月撮影)


■19年には新庁舎・公会堂が完成

 駅から距離のある公園通り沿い(図3)では、パルコが建て替え(宇田川町15地区開発計画)を発表。現在のパルコ・パート1、同3の敷地に地上20階のビルを建てる。2019年9月に完成予定だ。その北側の同2跡地では、延べ面積2000m2強ながらユニークなデザインのヒューリック渋谷井の頭通りビルが着工している。

図3 大規模の新築がまだ少ない中で目立ったのが、公園通りの入り口の「渋谷モディ」。旧マルイシティを全館リニューアルして15年11月に開業した(写真:日経アーキテクチュア)
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図3 大規模の新築がまだ少ない中で目立ったのが、公園通りの入り口の「渋谷モディ」。旧マルイシティを全館リニューアルして15年11月に開業した(写真:日経アーキテクチュア)

図4 宮下町の近くでは2015年末に完成した「キユーピー本社ビル」(建て替え)が、美竹通りにある区の仮庁舎の並びに姿を現した(写真:日経アーキテクチュア)
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図4 宮下町の近くでは2015年末に完成した「キユーピー本社ビル」(建て替え)が、美竹通りにある区の仮庁舎の並びに姿を現した(写真:日経アーキテクチュア)


 また、キャットストリート(旧 渋谷川遊歩道)沿いでは、渋谷宮下町計画として、地上16階の複合ビルの建設が2015年3月に始まった。店舗やシェアオフィスなどを整備し、クリエイティブ産業振興の拠点とする。

 この計画地の東の身竹通り沿い(図4)には渋谷区役所の仮庁舎が完成し、解体に入る旧庁舎に代わって業務を始めた。新庁舎・公会堂は2019年に完成する。旧庁舎の向かいではNHKも建て替え(新放送センター)を発表。今後、渋谷は駅周辺、そして広域でその姿を大きく変える。

 では、以下でエリア内で進む主要なプロジェクトを順に見てみよう。なお、各プロジェクトの概要として【1】所在地、【2】発注者・事業者、【3】設計者、【4】施工者、【5】着工時期、【6】竣工時期、【7】主構造、【8】階数、【9】延べ面積──を記載している。

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