堀込泰三 - ニュース・コラム,健康,生活,睡眠,科学,移住,食生活 08:00 PM
火星に向いているのは、遅寝遅起きで肉を食べる人
Popular Science:朝型人間のあなたは、火星旅行には行かないほうがよさそうだ。最新の研究によると、遅寝遅起きの人ほど、火星に向いているかもしれないからだ。
人間には1日の長さを教える体内時計があり、誰もが24時間前後にセットされている。しかし、早起きの人の体内時計は平均より少し速く動き、夜型の人は遅いことを示す証拠が見つかった。火星の1日は24時間と37分。つまり、体内時計の動きが遅い人(つまり、自然のサイクルを終えるのに24時間以上かかる人)のほうが、火星時間に慣れやすいかもしれない。
この関係に気がついたのは、『Telegraph』の記者Sarah Knaptonさん。『Proceedings of the National Academy of Sciences』に載っていた最新記事を読んで思いついたという。
この研究では、体内時計の動きが地球の24時間よりも速いマウスが、地球の自転と同期する体内時計を持つマウスよりも長生きしないことを発見した。それらのマウスにとっては、毎日が夏時間のように感じられる(つまり、あまり楽しくない)のかもしれない。彼らは実際、数世代で死に絶えてしまうのだ。論文では、現在いる惑星の自転に体内時計を同期させることの重要性を強調していた。
論文の著者の1人、Andrew Loudon氏は、Knaptonさんにこう答えている。
火星の自転速度は、一部の人にとっては体内時計の許容範囲内かもしれません。しかし、超朝型人間のように、体内時計のサイクルが短い人は、難治性の問題に長く苦しめられる可能性が高まります。そのため、NASAの有人火星計画からは除外されるかもしれません。
ほかに火星に向かない人は?
ビーガン(絶対菜食主義者)やグルテン不耐症のほか、極端な食事制限を行っている人は、火星に行けない可能性がある。NASAの食品科学者Vicky Kloeris氏は、「Popular Science」のインタビューに対し、火星用の食品を作るのは容易ではないと語っている。
火星への長旅のあと、NASAが火星でおいしくて栄養のある食品を調達できるようになったとしても、提供されるのは国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士と同じものだ。細かい食事ニーズにいちいち答えられるような食品を用意することはないだろう。
ビーガンやグルテン不耐症の人向けに、バランスの取れた食品を何種類も用意するためには、Kloeris氏のチームはまったく新しいメニューを開発しなければならない。新しい食品には、宇宙でも鮮度とおいしさを保てるかどうかを確認する試験も必要だ。
それは、理論上は可能です。でも、ビーガンやグルテン不耐症、あるいは深刻な乳糖不耐症の人を火星に送ろうと思ったら、途方もないほどの特別待遇が必要になります。それには多くのお金がかかります。ですから、NASAの判断が必要です。
NASAの火星計画にはすでに莫大な資金が投入されていることを考慮すると、それは期待できなそうだ。ピーナッツアレルギーの人、グルテンや乳製品がまったく食べられない人は、宇宙飛行士の募集には申し込まないほうがいいのかもしれない。
Mars Needs Colonists Who Eat Meat and Sleep Late|Popular Science
Sarah Fecht(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.
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