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【社会】笑えない噺を一席 林家三平さん「国策落語」で戦時の空気伝える
第二次大戦中に戦争への協力を国民に呼び掛けるために創作された「国策落語」を、落語家の二代目林家三平さん(45)が一日、東京都台東区の公共施設で演じた。戦時下の空気を知ってほしいと、落語界の負の歴史にメスを入れた三平さんの挑戦を見るため、多くの観客が訪れた。 (松尾博史) 演目は、祖父の七代目林家正蔵(一八九四〜一九四九年)の「出征祝」。店の若旦那に召集令状が届き、大旦那らと喜び合い、祝いの席の料理を相談するストーリー。 三平さんの出演映画「サクラ花 桜花最期の特攻」の上映とあわせ、昼夜の二回演じられた。昼の部には、ほぼ満員の二百八十人が来場した。 「国に献金することができる。こんなにうれしいことはないよ」と戦費調達に協力して国民が喜ぶ場面もあり、笑いはほとんど起きない。「(出征祝いのお酒を)二本買った。日本勝った」という落ちでは、会場が苦笑いで包まれた。 来場した目黒区の会社員、佐々木悦子さん(42)は「落語まで戦争に利用されていた時代を迎えることがないよう、世の中の変化に気付きたい」と話した。 口演を終えた三平さんは「戦地に行く兵隊の気持ちを描くのは難しかった」と感想を話し、今後も映画上映とともに「出征祝」を各地で演じたいという。 PR情報
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