ジュネーブ=松尾一郎
2016年3月3日02時10分
スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開催中の国連人権理事会で2日、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相が演説し、北朝鮮の過酷な人権状況について、「今こそ、国際社会と国連の人権機構が北朝鮮の人権状況を改善するための努力を倍増させるときだ」と主張した。
尹外相はこれに先立ち、同じ国連欧州本部で開かれている軍縮会議でも演説した。核開発を着実に進める北朝鮮を罰するために「安全保障理事会において、国連70年の歴史上、最も強力な非軍事の制裁措置を伴った画期的な決議をまもなく出すことは不思議なことではない」と指摘した。尹外相は各演説の中で慰安婦問題には触れなかった。
日本も浜地雅一外務政務官が人権理で、「北朝鮮が国際社会の憂慮の声を誠実に受け止め、拉致問題の早期解決を含む人権状況の改善に向けた具体的行動をとることを強く求める」と演説。日本が欧州連合(EU)とともに、今回の人権理に提出する対北朝鮮非難決議案への賛同を訴えた。
北朝鮮は、各国の代表が人権理での演説を終えた後に発言を求め、日本と韓国に対して「誤解を招く事実に基づかない申し立てを拒否する」などと述べた。(ジュネーブ=松尾一郎)
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朝日新聞国際報道部
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