アートはいつ、どのように、誰によって「アート」になるのか?
▼誰もがアーティストになりうる時代の「創造のプロセス」を鮮やかに解明し、全包括的な「アート・ワールド」の理論を提示する、アメリカを代表する社会学者ベッカーの傑作。 ▼アート作品は、才能あるアーティストだけではなく、アーティストや作品を取り巻く人々で成り立つ「アート・ワールド」によってうみだされる。本書では、この「アート・ワールド」の仕組みをあきらかにすることで、「何がアートを成立させるのか」「何がアートとクラフトを区別するのか」「アート・ワールドでの自分の役割はどんな意味を持つのか」「なぜ自分の作品は望ましい評価を得ていないのか」「どうすれば自分の作品をふさわしい受け手に見てもらえるのか」など、あらゆるアートやクラフト関係者が抱くであろう基本的な疑問に、民主主義的な回答を与えている。 ▼アマチュア作品やマイナー作品をも包摂しうる、アート・ワールドの理論を示した歴史的快著。
25周年版へのまえがき 初版へのまえがき
第1章 アートワールドと集合的行為 第2章 規則 第3章 資源を動員する 第4章 アート作品を分配する 第5章 美学、美学者、そして批評家 第6章 アートと国家 第7章 編集する 第8章 統合された職業人、一匹狼、フォーク・アーティスト、そしてナイーブ・アーティスト 第9章 アートとクラフト 第10章 アートワールドの変化 第11章 評判
25周年版へのエピローグ 訳者解説 文献一覧 索引
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【著者】 ハワード・S・ベッカー(Howard S. Becker) 1928年シカゴ生まれ。社会学者。シカゴ・ノースウェスタン大学、シアトル・ワシントン大学で教鞭をとった。「ラベリング理論」を提唱したネオ・シカゴ学派の一人。ジャズピアニストでもある。主著に『完訳アウトサイダーズ ―― ラベリング理論再考』(現代人文社、2011年)、『社会学の技法』(恒星社厚生閣、2012年)、『ベッカー先生の論文教室』(慶應義塾大学出版会、2012年)など。
【訳者】 後藤 将之(ごとう まさゆき) 1957年神奈川県生まれ。成城大学文芸学部教授。東京大学教養学部、東京大学大学院社会学修士、カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校社会学大学院(Ph.D)。 著書に『ジョージ・ハーバート・ミード ―― コミュニケーションと社会心理学の理論』(弘文堂、1988年)、訳書に、ハーバート・ブルーマー『シンボリック相互作用論』(勁草書房、1991年)など。
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