釧路公立大学の皆月昭則教授研究室の学生が、分娩(ぶんべん)前の陣痛間隔から病院に連絡するタイミングを判定するスマートフォン(多機能携帯電話)用のアプリケーション(アプリ)「陣痛かも?間隔判定アプリ」を開発した。2月からインターネット上の「グーグルプレイ」で無料公開を開始、現在まで4000件以上がダウンロードされ、皆月教授は「出だしは順調」と期待を込めている。
同アプリは妊娠後期の女性を対象とし、陣痛の始まりと終わりにボタンを押す単純な操作で、陣痛発生の時間、間隔、持続時間を記録し、それに応じてアドバイスする。
開発したのは同大4年の斎藤涼一さん(24)と石原脩大さん(21)で、市立釧路総合病院の助産師に協力を仰いだ。きっかけは皆月教授に長男が誕生したこと。2人は男性が想像できない女性の痛みや苦しみについて、システムをつくることで支援できないかと、昨年11月下旬ごろから開発に着手した。
妊娠に伴う陣痛は、分娩1日前ごろに発生する不規則的な前駆陣痛と分娩前の規則的な分娩陣痛に分かれる。同病院では初産婦が年間約350人受診しているが、そのうち半数が前駆陣痛で病院を訪れる。そこで同病院は数名に同アプリを勧め、無事に出産できたケースもあったという。
斎藤さんは「知識ゼロから始め、育児書を読み倒して開発した」と苦労を語り、協力した助産師の上川原ひろみさんは「便利なツール。妊婦にとって安全なお産の目安になる」と評価している。