レトロPCのゲームがやりた〜〜い!!PC8801?X68000?ザナドゥ?何なのそれ〜〜!!!
冒頭から失礼いたしました。こんにちは、山口むつおです。
僕はいま、とある世界に足を踏み入れようとしております。
以前このオクトピでは、生存競争に敗れた「負けハード」をプレイしてキャイキャイしたり、変わったコントローラーを使うゲームをプレイしてキャイキャイしたりしてまいりました。
※XBOXの「鉄騎」をプレイして大はしゃぎする僕。
そんな昔のゲームが大好きな僕なのですが、もっとすごいのがやりてぇ……もっともっと古いのはないんやろか……という想いは募るばかり。
そんな時にふと思い出したのは、僕がまだ幼稚園か小学校低学年だった、1980年代の終わり頃。そういえば父親が当時、何かパソコンのゲームやっていたな……という事を思い出しました。
そこで!今回はWindowsよりも昔に存在していたパソコンのゲーム、「レトロPCゲーム」の世界に旅立ちたいと思います。
やってきたのはレトロPCの楽園と呼ばれている「BEEP@秋葉原」!
レトロPCゲームの楽園にやってきた
おおお……。
ここがレトロPCゲームの楽園か〜〜!!
店内には、見た事があるようなないようなレトロPCがギッシリ!
レトロPC関連の書籍や関連グッズなども多数置いてあります。
そして今回ご案内いただいたのは、BEEP@秋葉原の名物店員・テリーさん!
アルバイトの身ながら、レトロPCへの造詣がめちゃくちゃ深い事で有名です。
- 山口むつお
- 本日はよろしくお願いします!
- テリーさん
- 宜しくお願いします!
意外と安い?Windowsより前のレトロPCの基礎
- 山口むつお
- レトロPCについて全然詳しくないので、そもそもどういうモノなのかから教えてもらえると……。
- テリーさん
- 基本的にはWindowsよりも昔のパソコンだと思っていただければOKです。当店で一番古いのは、ここにある「MZ-80K2」という機種です。SHARPさんから出ていたものですね。
これが「MZ-80K2」。10インチの白黒モニタが一体になっている。1980年頃に発売されたとのことなので、なんと35年くらい前のもの!
- 山口むつお
- なんか普通にインテリアとしてもかっこいいですな……。
- テリーさん
- 今のパソコンと違って、この当時はプログラムを自分で入れてやらないと動きませんでした。これの特徴は、外部記憶装置としてカセットテープを使っていたところです。ゲームもカセットテープに入っていたんですよ。
これが実物のカセットテープのゲーム。若い人は実物を見た事ないんじゃないか。
- 山口むつお
- 今はもうMDの存在すら知らない子達もいるから、カセットテープの使い方なんて想像できないかもしれないなあ。
- テリーさん
- こっちは聞いた事があるかもしれません。NECの8ビットマシン「PC-8801」といって、Windows以前はかなり普及したパソコンです。レトロPCと聞くと骨董品的なイメージを持たれる方が多いのですが、意外と安価に手に入るものも多いんですよ。
- テリーさん
- ちなみにこれの後継機として「PC-9801」という16ビット機がわりとすぐに登場しました。
- 山口むつお
- ぼくが幼稚園くらいの時なのでぼんやりしてるんですけど、確か父親がパソコンを持ってて、それが9801なんじゃないかな〜と思ってるんですよ。ゲームをやるのにフロッピーディスクをガチャガチャ入れていた記憶があるんで。
- テリーさん
- 当時はまだメディアとしてCD-ROMも普及していなかったので、フロッピーディスクが主流でしたね。ちなみにPC-8801に対応しているフロッピーディスクは5インチなので、みなさんがよくご存知の3.5インチよりもだいぶ大きいですよ。
- 山口むつお
- でけぇ!あとなんか、ペラペラだ!!
- テリーさん
- 中に入っている磁気ディスクを覆っているジャケット、紙でできてるんですよ。
- 山口むつお
- 紙!耐久性大丈夫なんかな……。ちなみにこれ1枚にどれくらいのデータが入るんですか??
- テリーさん
- 5インチの2HDでしたら、1.44MBです。
- 山口むつお
- ハナクソの写真しか入らん!
- テリーさん
- お次は「X68000」というレトロPCです。これもMZ-80K2と同じく、SHARPさんから出ていたものですね。
かなり今のパソコンっぽい!当時、「マンハッタンシェイプ」と呼ばれるこの風貌にやられた人も多かったとか。現在、SHARPさんが絡んだうえでこの外観を復刻させようというプロジェクトまであるそうだ。
- 山口むつお
- おっ!さっきのに比べると画質も上がってるし、動きも滑らかですね!
- テリーさん
- 「グラディウス」をはじめ、たくさんのアーケードゲームが移植された事もあって、かなりコアなゲーマーさん達が買っていたようです。FM音源を搭載した豊かなサウンドも特徴でした。4MBまでメモリを積めば、起動が今となっても困難なスーパーストリートファイター2も動きますよ。
- 山口むつお
- えー!結構最近のゲームじゃないですか!
通常これだけ年季が入っているPCだと、中に入っているコンデンサ(電気を蓄えたり放出したりする電子部品)が速攻焼き切れたりすることもあるらしい。 前の持ち主が丁寧にカスタマイズした物を、BEEPさんでオーバーホールしているそうだ。
- 山口むつお
- それにしてもメモリ8MBか……。ぼくが仕事で使っているパソコンのメモリは8GBだから、こいつはその1000分の1……。これは結構お値段しますけど、当時はおいくらくらいだったんですか?
- テリーさん
- うーん、本体とモニター、それにこのカスタマイズ内容を合わせると……50万は下回らないですねぇ。
- 山口むつお
- ご、50万円……!
- テリーさん
- 当時は今に比べて1つ1つのパーツがとても高価でした。なのでそれを買う人達って、X68000に対して圧倒的な一目惚れや、 その魅惑のスペックに可能性を見出したコアな人達だったんです。ここに当時のカタログがあるのですが……。
- テリーさん
- 40MBのハードディスクで12万円しますからね。
- 山口むつお
- ……今だったら2TBで9000円くらいでっせ……。
ブラウン管のモニターは不要?!初心者にピッタリのレトロPCとは?
なんとなくレトロPCの事がわかってきたので、今度は具体的にどのマシンを買えばいいのかを相談します。
- 山口むつお
- ぼくみたいな初心者がレトロPCゲームをはじめようと思ったら、何を買うのがオススメですか??
- テリーさん
- うーん、手軽さで言えばファミコンのようにゲームカセットを挿すだけで遊べる「MSX」という機種が一番だと思います。
これがMSX。本体に直接ゲームソフトを差し込んでプレイする事ができる。
- 山口むつお
- ファイナルファンタジーもMSXで出てたんですか??
- テリーさん
- はい。あまり知られていませんが、ファミコンから移植されているんですよ。
- テリーさん
- 今では世界的にファンの多い「メタルギア」は、MSXで最初に発表されたんです。
- 山口むつお
- そうだったんだ!全然知らなんだ!
- テリーさん
- でも、もっとレトロPCならではの空気感を楽しみたいのであれば「PC-8801」か「PC-9801」がゲームソフトの数も多くてオススメですね!パソコン本体も2万円代と安くで手に入りますし。
- テリーさん
- それと機種によるんですが、今お使いの液晶モニターに接続できるものも多いですよ。D-sub 15pinという、差込口がこんな風に3列になっているケーブルが使われていると思うのですが、それを2列に変換するプラグを用意すればOKです。Amazonでも売っていますよ。
- 山口むつお
- あのでっかいブラウン管のモニター、別にいらないんだ!じゃあ本体だけ買えばいいのか……これは知らない人、結構多い気がするなぁ。
- サンワサプライ AD-D15NE モニタ変換アダプタ (D B15オス-HDB15メス)
-
変換プラグはAmazonで650円くらい。お手軽〜!
当時のゲームには「ヒント券」がついていた?!超絶難易度のレトロPCゲームの面白さとは
- テリーさん
- こちらの「ハイドライド」も有名なアクションRPGです。悪魔バラリスを倒すために3匹の妖精を探すというゲームなんですが、それにしてもまあ〜〜〜この妖精が見つからないんですよ!
- 山口むつお
- 見つからないってのは、つまりノーヒントで皆目検討もつかないって事ですか??
- テリーさん
- そうですそうです。特に3匹目の妖精が全然見つからない。当時はゲームを買うと「ヒント券」というのが1枚だけ付いていて、それを郵便で送るとヒントを教えてもらえたのですが、この会社には「3匹目の妖精はどこだ」っていうお便りがめちゃくちゃ届いたそうです。
- 山口むつお
- それ、もっと手前でヒント券を消費してしまった人は、その後地獄を見たでしょうね……。
- テリーさん
- 今と違って、当時のゲームはとにかくデータ容量が少ないので、普通に進めちゃうと数時間くらいでクリアできちゃうんですよ。そこで開発側は、1つのゲームを長く遊んでもらうためにゲーム難度をかなり高く調整していました。そもそも全員がクリアできる前提ではなかったんです。
- 山口むつお
- 今のゲームは途中で飽きない限りは、だいたい自力でエンディングまでいけますもんね。
- テリーさん
- 当時はエンディングはおまけみたいなもので、とにかく過程を楽しむというのがゲームの醍醐味でした。行き詰った時に如何に知恵を絞って対策を立てるのかとか、何度もゲームオーバーになりながらプレイヤー自身の腕を磨くとか、そういう部分が当時のゲーマー達を夢中にさせたんですね。
- テリーさん
- これは日本ファルコムが1985年に発売した「ザナドゥ」というアクションRPGなんですが、なんと40万本も売り上げました。このPCゲームの国内販売記録は、2016年の現在でもまだ破られてないんですよ。
- 山口むつお
- 30年以上前の記録がまだ破られてない?!40万本売るって、今でも大変な数字ですよ!当時のパソコンユーザーなんかそんなにいなかったろうに。
- テリーさん
- もう「知らない人のほうが珍しい」という状況ですよね。先ほどもご説明した通り、レトロPCゲームは基本難しいのですが、「ザナドゥ」は世界に有限しかないお金や武器、食料などのリソース管理の難しさとそれをまとめるゲーム性のバランスが絶妙なんですよ。その絶妙な駆け引きの面白さがヒットの理由じゃないかと思います。
- 山口むつお
- なるほどね……!
ちなみに今、ザナドゥ誕生30周年を記念して、シリーズ作品全部を詰め込んだコンプリートコレクションがWindowsで発売中だそうです。
その他にも、テリーさんをもってして「レトロPCゲーが嫌いになるくらいムズい」と教えてくれた「ロマンシア」がどれだけえげつないかや……。
高校生が作ったというアドベンチャーゲーム「ザース 人工頭脳オリオンの奪還」のエピソードを聞いたり……。
実はテリーさんがまだ弱冠24歳で、「ドラゴンスレイヤーというゲームのルーツを探っていたらいつの間にかここに辿り着いた」というエピソードに腰を抜かしたりすること約2時間……。
ついつい長居してしまいましたが、PC-8801とソフトを数本無事購入!さっそくどんな感じなのかプレイしてみたいと思います!
実際にレトロPCゲームをやってみよう
今回買ったレトロPCゲームは、こちら!
左から「デジタル・デビル物語 女神転生」、「めぞん一刻」「ザナドゥ コンプリート・コレクション(Windows版)」です。
女神転生は「日本テレネット」という会社が配給していて、内容もRPGではなくアクションゲームで全く別物です。
液晶モニタを接続すると、こんな感じになりました。ちゃんと現代のモニタ接続で動きます!
僕はアドベンチャーゲームが好きなので、この「めぞん一刻」から始めてみたいと思います。
ディスクを2枚入れ、電源をONにすると自動的にゲームが始まります。
- 山口むつお
- おお!はじまった!なんとも言えないタイトル画面だな!
- 山口むつお
- ん……?
突然、何の前触れもなく自分の部屋(?)からスタート!
- 山口むつお
- ……??
- 山口むつお
- (さっきから「右へ行く」とか「前へ行く」とか、えらい選択肢が細かいな……。)
- 山口むつお
- (なるほど……このマップの通りにカニ歩きしてるってわけか……これをいちいち指定していくと……。)
- 山口むつお
- こりゃあ、長い戦いになるでぇ……!
その後1時間ほどプレイしていましたが、わざわざ隣人からハシゴを借りて、なぜか屋根の上に落ちているブラジャーを拾いに行ったり……。
それを管理人に見せるとビンタされたり……と進んでみるものの、いったい何が最終目的なのかわからず、暗礁に乗り上げました。
- 山口むつお
- ふえぇ……ヒントくれぇ〜〜〜〜!!!
箱の中を見てみると、ヒント集の申し込み書が!!
調べてみると、住所は変わっているものの会社は存在しているらしい。これ送ったらヒント集くれるのかな……?
「なお、1ヶ月、2ヶ月かかってもわからない方にはヒント集を用意しております」とのこと。
- 山口むつお
- この程度で音を上げてたらダメなんやな……ふんばらんと……!
お次にプレイした「デジタルデビル物語 女神転生」のオープニングでは、画面上に魔法陣が現れた後、配給会社である「日本テレネット」の社名が1分くらいかけて現れてきます。
- 山口むつお
- 出足からめちゃくちゃ社名をおしてくるな……。
そして40万本を売り上げたという伝説のアクションRPG「ザナドゥ」を、我が社の最年長者・ギャラクシーにプレイしてもらったところ……。
「うわ〜〜懐かしい!!」とこの表情。
そのほかにも何人かにレトロPCゲームをプレイしてもらいましたが、一同に「難しい!」とのご意見。
しかし、その難しさゆえに「それをこうしたらいいんじゃないの?」「またこのパターンはまってもうた!」と、ギャラリー含めて大盛り上がりでした。
いかがだったでしょうか?「うわ〜!懐かしい〜!」って人も結構いるんじゃないでしょうか。ちなみに僕はレトロPC熱が上がり、会社にある55インチのテレビに接続しております。
今回ご紹介した通り、金額的にはそんなにドギツいものでもありません。学生時代には高くて買えなかったけど、大人になった今、買い直して青春を取り戻すのも、友達で集まってギャーギャー言いながらプレイするのも良いと思います。
あとBEEPのテリーさんも言ってたけど、レトロPCゲームは正直ムズい!初代ファミコンあたりを通ってない人にとっては、ちょっと辛い難易度かもしれない!
けど是非一度やってみてほしい!難しいゲームほどクリアした時の達成感が半端じゃないから……。
それでは、また!!
取材協力:BEEP@秋葉原
住所:
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-9-8 中栄ビルB1F
営業時間:
AM11時〜PM8時(水/木 定休)
電話番号:
03-6206-9116
URL:
http://www.akihabara-beep.com/
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